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牛乳で薬を飲んだら骨が強くなりません

ブログ更新が遅れていましたが、総合診療9月号の連載記事から割愛して紹介します。


牛乳で飲むと効かないクスリ

骨粗鬆症に対して牛乳が良いと信じている方がいました。そのために薬も牛乳で飲んでいるというのです。確かに毎日飲む習慣のあるクスリと関連づければ毎日牛乳を飲む習慣も身につくかも知れませんが、お薦めはしません。

特に牛乳はカルシウム含有量が多いので薬剤と錯体を形成しやすいことが問題です。ビスホスホネートはもともとバイオアベイラビリティが0.6-2.8%と非常に低い上に、カルシウムが

加われば吸収がほとんどされなくなってしまいます。同様の理由でジュース、コーヒー、紅茶もダメです。シプロフロキサシンはAUCが67%、ミノサイクリンは73%になってしまうので、やはり牛乳での服用は避けるべきです。

腸溶剤は牛乳で溶けやすくなるため、期待した薬効が得られません。例えばバイアスピリンとPPIは腸溶剤です。PPIは牛乳と服用すると吸収率が低下する可能性があります。セファレキシンとパロキセチンCR錠は半減期延長のために腸溶剤となっているため、牛乳で飲むと一気に吸収されてしまいます。

レモンティーは鉄剤吸収を阻害?促進?

結論だけ言えば、レモンによる鉄吸収促進効果は軽微であり、ポリフェノールによる吸収阻害効果が勝ってしまいます。その他にもスタチンやアテノロールなど様々な薬剤がお茶類で吸収が変化することが報告されています。レモンティーを含め、お茶類での服薬はおすすめしません。

詳細は書籍を参照ください。

グレープフルーツは皮がダメ

グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗薬の組み合わせは良く知られていますが、そのほかにも多種の薬剤で影響が報告されています。

なぜ「ジュース」なのかというと、皮にはフラノクマリン類が多く含まれているからです。なお、グレープフルーツジュースがこの物質を大量に摂取しやすい食材というだけで、類似したフルーツやそのジュースが問題となることもあります。

結局、水が無難

その他のジュースも薬剤への影響が示されており、やはり安全なのは水と言うことになります。

なお、白湯は残留塩素を気にしなくてよくなりますが、残留塩素が薬剤吸収に影響を与えることはほぼない(ミネラルウォーターと水道水のpHは変わらない)でしょうし、冷水であっても消化管内ですぐに温度は上昇するため冷水での服用も大きな問題とはなりませんので、ご安心ください。


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