「非専門医による」というのが若手医師や総合診療医にとっては馴染みやすいタイトルです。専門医にとっては常識かも知れないが初学者にとっては陥りやすいピットフォールや勘どころを専門医がとても簡潔に解説してくれている。糖尿病に関しては管理できる研修医も多いとは思うが、甲状腺疾患ともなると苦手意識を伴いがちだ。しかし、甲状腺疾患は大変コモンな疾患であり、プライマリケア医や研修医にとっては避けては通れない疾患群である。本書は堅苦しさがない症例ベースの対話形式なので、苦手意識のある人も気楽に読むことができる。
糖尿病に関しても堅苦しい記述ではなく、具体的な生活指導の注意点が事細かに書かれており、実に実践的だ。「薬を出して、ハイお終い」という診療こそお終いにしたい。糖尿病の治療者は我々ではなく、半分は患者さん自身という。アドヒアランスの低さを嘆いても仕方ない。どのように患者指導をするか、それこそが我々の仕事であることを再認識させてくれる。
研修医、外来教育に携わる医師、プライマリケア医(特に専門医を卒業し、開業した医師)にお勧めの一冊です。
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