原著論文執筆の力強い味方となる書籍が出版されました。
総論では論文執筆にくじけてしまわないために大切なことが書かれています。
面白いと思ったのは「アカデミア筋トレ」で、PubMedで200論文をざっとTitleとAbstractだけに目を通して、どんなことが書かれているかを把握するというもの。
これは私が医学的に調べたいものがあるときに行っている行動と近いように思いました。
私の場合は、調べたいテーマに関連があるかもしれない論文をTitleだけをみて片っ端からClipboardに入れていきます。そうすることで検索ワードを変更していっても重複のない一つの関連あるかも論文リストがClipboard内にできあがります。
それからAbstractをチェックしていきます。関連がないと判断した場合はClipboardから削除します。
こうすることで効率よく世の中にpublishされている論文に目を通すことができます。
また、指導者と学習者で最重要論文を3つずつ持ち寄るというのも興味深い方法でした。
これは研究の立ち位置を明確にさせるために、ルーチンワークとしてやってみたいと思います。
各論では論文の書き方が丁寧に解説されています。
執筆する順番については、今までよく薦められていた方法と若干異なる方法を提唱しています。まずはMethodとTable/Figureを書いてしまうという大枠は同じです。ただし、MethodよりFigureを先に書くことを薦めています。これは執筆内容によるのかも知れませんね。研究計画段階でMethodを書ききってしまうのも理にかなっていますし、一番中核となるTable/Fuguresを仕上げてしまい、その後に周囲を固めていくのも納得です。一気に書くならTables/Figuresが先の方が私の性格にはあってそうです。次回はこの方法を試してみようかな。
次の大きなブロックはResults本文から書き始めて、Discussion、Conclusionsに進みますが、Introductionをどこで書くかについては、どちらでもよいようですね。ただAbstractが最後なのは変わらない重要なことかと思います。
いままでのやり方 | 著者おすすめの方法 |
Method | Tables/Figures |
Tables/Figures | Method |
Results | Results |
Discussion | Introduction |
Conclusions | Discussion |
Introduction | Conclusions |
Abstract | Abstract |
図表へのこだわりが大事。Sanky diagramやclinical dicision treeはメディカルイラストレーターに依頼されているそうです。たしかに、掲載されている図はきれいで一目瞭然。この点は今後AIによる画像生成に期待したい・・・。
タイトルはPICOのP+I+Oので構成
ResultsはFig1→Baseline patient characteristics→多変量解析→メインの図→サブグループ解析/感度分析の流れ
IntroductionsはBackground、Significance/Hypothesis、Purposeの三段論法
Discussionはまとめ→過去の報告との比較→メカニズム→臨床応用→Limitationという流れ。
どういう意味か分からない方は、書籍を参照ください、ということで・・・。
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