総合診療 2019年 9月号 の特集は
“ヤブ化”を防ぐ!「外来診療」基本のき
でした。
1)総論「あなたの“ヤブ化度"チェックテスト」で、まず診断! 2)座談会「“ヤブ化"しないために私たちはどうしてきたか―ヤブ化を防ぐ10の方法」は、濱口杉大先生・南郷栄秀先生・山中克郎先生が、ご自身のヤブ化予防法を開陳しています。 3)19の「コモンディジーズに対する標準的診療」が、 図表やチャートを豊富にコンパクトに解説されています。
私の連載であります
Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|胸腹痛をきたす“壁”を克服しよう・6
は 胸が痛いのに「頸が悪い」とは? でした。
l 頸椎病変が胸痛を起こすことがある。
デルマトームでは説明が困難です。
機序はいくつか知られていますが、上肢の運動感覚は頚髄支配です。上肢帯である肩回りの筋肉も頚髄支配です。大胸筋も頚髄支配です。ですから頸椎病変で鈍い胸痛を呈することがあります。
背部も同様ですが、頚髄によって関連痛の部位が決まっています。
l 疼痛の性状や持続時間は虚血性心疾患と異なることが多いが、中には漠然とした前胸部絞扼感で冷汗や嘔気を伴うこともある。
l 疼痛は労作よりも体位に関連し、Spurling試験が陽性であればcervical anginaが示唆される。
折角なので、Spurling試験以外にも頚椎症性神経根症の診断に有用な身体所見をまとめておきました。
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