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這ってでも理由を探しなさい

今月号の「総合診療」の特集は

ライフステージでみる 女性診療 at a glance! よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。 でした。

今月号はWhat’s your diagnosis?の担当も当院でした。

タイトルは「這ってでも理由を探しなさい」です。

高齢男性に半日以内の経過で発症した片麻痺の症例です。

来院時、発熱や意識障害はありませんでした。DWIで右前頭葉皮質に高信号を認め、脳梗塞が疑われ入院となりました。

入院後、膿性痰が増加し、発熱が見られました。

また意識障害、共同偏視、口唇ジスキネジアが出現し、症候性てんかんと判断し、それぞれ治療が開始されました。

さて、「這ってでも理由を探しなさい」が意味するものは何でしょうか?


答えはギリシャ語で「這う」=ヘルペスということで、ヘルペス脳炎でした。



Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?

この連載もちょうど1年の節目だったので、読者からの「患者さんから聞かれて回答の難しい“素朴な疑問”」に答えます! 、というタイトルでお送りしました。

今まで頂いていたご質問のいくつかにお答えしました。

  • メラノーマの診断には「ABCDEルール」。EをElevationと記憶していた方はEvolutionに置き換えましょう。沢山病変がある場合には俯瞰的にみて醜いアヒルの子を探してください。

  • 爪が割れてしまう人にはマニュキュアが保護に有用ですが、除光液は爪を脆くすることに注意します。

  • 平熱が低いという訴えでは、測定状況・手技・再現性を確認するべし。腋下の温度は前腕を軽く外旋し手掌を上向きにするとよい(WHY?というジェスチャーですね)。

  • 「毎年この時期にかぜをひく」と言われれば、季節性アレルギー、血管運動性鼻炎、気管支喘息を否定する。

  • 暖湿布は冷湿布より鎮痛効果は弱いので特に急性期には冷湿布が好まれる。神経性疼痛には温湿布に含まれるカプサイシンの効果を期待してもよいかもしれないが、質の高い研究はない。

  • 風邪で入浴を控える理由は(ほとんど)ない。QOL改善のため心地よいタイミングで入ってもらえばよいが、湯冷めには注意してもらう。

  • 早朝の咽頭痛ではOSASを否定したい。

  • 欠伸をすると涙がでるのは、顔面の筋肉収縮を介して涙腺から涙液がしぼりだされたり、涙小管が圧排されることが機序と考えられる。

これからも皆様からのご質問を受け付けておりますので、良いテーマが思いつくというかたは医学書院のほうまでぜひご連絡ください。採用されたネタには図書カードがプレゼントされます。


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