Effectiveness of Cranberry capsules to prevent uninary tract infections in vulnerable older
persons: A double-blind randomized placebo-controlled trial in long-term care facilities J
Am Geriatr Soc 2014;62:103-10
2008-2011年にかけてオランダの長期療養施設で行われた研究。
リスクの高い人では有意差は出た.NNT=5
DHCのサプリなら1ヶ月1100円程度だが,プロアントシアニジンの含有量は不明.キナ酸は80mg.
これなら,一人のUTIを予防するのに66000円という計算にはなる.
プロアントシアニジンのサプリでDHCで調べると60mg含有の「ホワイトセルフ」とか言う美白のサプリが出てくるが,効果の程は不明な上に2000円近い.
Amazon.comだと下のが65mg含有で120日分で90$(=3567円/月).輸入は困難ですが.
DHCはすごいのかもしれませんね.
高齢者ではあまり役に立たない印象ですが,strict definitionでは,実際の臨床の感覚よりかなり厳しくUTIを定義しているせいで有意差が出なかったのかもしれません.
【背景】
クランベリーに含まれるproanthocyanidins(PACs)はE.coliの接着を阻害し、in vitroでは
S.aureus、P.aeruginosa、K pneumoniae、Proteus mirabilisに対しても抗菌作用を示す。ク
ランベリージュースが、特にUTIを反復する女性においてUTI発症率を低下させるというエ
ビデンスが蓄積して来ているが、長期療養施設に入所している高齢者を対象にクランベリ
ーカプセルの効果を示した研究はない。
【研究デザイン】
P:長期療養施設(long-term care facilities; LTCFs)入所中の65歳以上の高齢者
除外基準:ワーファリン使用者(クマリンとクランベリーの相互作用による出血)
生命予後が1ヶ月未満の者
対象者はベースラインのUTI riskに応じて層別化
high risk:1ヶ月以上の長期尿道カテーテル留置、糖尿病 =516人
1年以内に最低1回のUTI既往
row risk:上記以外 =412人
I:take cranberry capsules twice daily for 12 months
クランベリーカプセルは PAC 9mgを含む
(服薬完遂率は97%でグループ間の差なし)
C:take placebo capsules twice daily for 12 months
the placebo was indistinguishable in color, taste, and appearance, consisting of
cellulose microcrystal colored red with azorubin
O:The primary outcome was incidence of UTI
UTIの診断はclinical definitionとstrict definitionで行った
clinical definition:排尿症状、検査陽性(nitrite test、leukocyte esterase test、dipslide、培
養)、抗菌薬によるUTI治療、診療録でのUTIという記録
strict definition:排尿症状+dipslideまたは培養陽性(105 CFU/mL以上)
Results
In the high-UTI-risk group, the incidence of UTI according to the clinical definition was
62.8 per 100 person-years at risk (95% CI = 50.3-75.2) for cranberry and 84.8 per 100
person-years at risk (95%CI = 70.0-99.7) for placebo (P=.04)
The treatment effect in those at high UTI risk was 0.74 (95%CI=0.57-0.97)
The incidence for UTI following the strict definition was not different in those using
cranberry and placebo.
high riskグループのうち、長期留置カテーテルのない患者420名に限定すると、よりクラ
ンベリーのclinical defined UTI予防効果が顕著だった(treatment effect = 0.67)
clinical definitionに基づくと、一人の患者を1年間UTI freeにするには、5名にクラッベリ
ーを1年間内服させることになる。
low riskグループでは、UTI発症率に差を認めなかった。
Secondary outocomes were incidence of recurrent UTI, hospitalization, and mortality
random effect modelでは、クランベリーはhigh riskグループ、low riskグループともにUTI
発生を減少させなかった。
5名(0.5%)(いずれもhigh riskグループ)が入院したが、入院率は両群間に差を認めな
かった(p=.62)。
low riskグループでは3名がUTIで死亡した(p=.56)
high riskグループでは14名(両群7名ずつ)がUTIで死亡した(p=.91)
【結論】
high riskグループではclinical defined UTIは26%減少したが、strictly defined UTIは減少し
なかった。row riskグループではいずれの定義のUTIも減少しなかった。
【考察】
UTI減少効果は2ヶ月後以降に発揮される。clinical defined UTIの診断が、担当医師の判断
に基づく所が欠点だが、認知症高齢者は無症状のことも多く、UTIの診断は難しい。クラ
ンベリーの適切な投与量も未検討の段階。72mgで細菌が膀胱に付着するのを予防できたと
する報告があり、18mgでは不十分だったのかも。