Does enteral nutrition compared to parenteral nutrition result in better outcomes in critically ill adult patients? A systematic review of the literature. Nutrition. 2004 Oct;20(10):843-8. Gramlich L, Kichian K, Pinilla J, Rodych NJ, Dhaliwal R, Heyland DK.
ちょっと古いですが。
研究対象患者: 集中治療管理を要する成人患者。待機的手術の患者は除外。
治療法: 経腸栄養と静脈栄養の比較
Outcome測定: Primary outcome:死亡率、感染率 Secondary:入院日数、QOL、機能的回復、合併症、コスト 臨床的なアウトカムで測定し、窒素バランスやアミノ酸プロファイルでのみ評価した論文は省いている。
含まれた研究 RCTのみでPseudo-RCTは含めない。 Medlilne,Embase、Cinahl、Cochrane lilbraryで1980-2002年までの論文を検索。 言語と出版されていないデータ検索に対しては記載がない。 著者への連絡はしているが、返事があったのは一人だけだった。 13研究が解析された。Populationを見ると外傷患者がほとんど。
死亡率は全研究でデータがあったが、感染率はデータ欠損あり。 質の評価については、記載がない。2004年の時点ではメタ解析でも質の評価なくしてアクセプトされていたんですね。
研究の不均一性(異質性) p=0.22やp=0.2 p=0.12、といったところで、グラフの見た目も偏っているようには見えない(下図参照)
結果 感染は経腸栄養のほうが少ない
死亡率には差異がない
静脈栄養でのカロリー>経腸栄養であると有意差ないものの経腸栄養が死亡率高い傾向はあった
解釈 対象患者のほとんどが外傷であることから外的妥当性には注意が必要。 死亡率は変わらなくとも、感染を減らすこと、コストを考えると経腸栄養が望ましい、ということが再認識されたが、同時にエビデンスが乏しいことにも驚いた。 実は一つずつのStudyをみると経腸栄養は空腸瘻での栄養が多い。この点からは我々が対象としている患者とは逆流するリスクも異なるし、鵜呑みにはできない。