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ビスフォ製剤による顎骨壊死

抜歯前のビスフォ(BP)どうしていますか? やめるべきか、続けるべきか。この問いに対する明確な回答は今のところありません。

日本の5学会合同で発表したビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパー(改訂追補2012年版)によると

3年以上服薬しているようなハイリスク群では休薬期間は3か月、再開はリスクに応じて2週間~2か月が目安とされている。 それ以外のリスク要因とされているのには窒素含有BPなどとも書かれており、そうすると基本的には全例休薬となります。

おそらく最新であろう報告をみてみると2014年に米国歯科口腔外科学会からPosition paperが出ている。 http://www.aaoms.org/images/uploads/pdfs/mronj_position_paper.pdf この報告でも継続審議中の問題としながら以下のように述べている。

顎骨壊死の頻度

悪性腫瘍患者においてZolendronate(ゾメタ)を使うと1[0.7-6.7]%(50-100倍の頻度)となる。 (RNAKL阻害薬においてもとBPと同程度のリスク) だから、悪性腫瘍においてBPをIVで使用している場合の歯科治療は可能なら避けるべきとしている。

では、骨粗鬆症の治療においてはどうか。 一方、骨粗鬆症に対する治療ではリスクは1/100程度と推測され、BP中止すべきかどうかは意見が割れている。

  • 2009年のAAOMSの推奨では「可能ならば経口BPは前後3か月休薬」

  • 2011年のADA Council on Scientific Affairsは「2年未満のBPやRANKL阻害薬は継続してもよい」

  • 2011年のFDAは「休薬すべきか、その期間をどうすべきかについては十分なデータがない」

  • 2013年のInternational ONJ Task Forceは「4年超のBP、リウマチ、ステロイド投与歴、糖尿病、喫煙では局所が治癒するまで休薬」

これはBPは4年以上服薬でリスクが高いことによる。

http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/DrugSafetyandRiskManagementAdvisoryCommittee/UCM270958.pdf だから、4年以上のBP投与もしくはステロイド内服中ではBP中止を提案している。

BPのリザーバーは骨芽細胞であり、これのlife spanは2週間であることから2か月も休薬すれば十分洗い流される。このことから休薬期間は2か月前~骨治癒が得られるまで。

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