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ICUで耳栓を使うとせん妄が減る.

The Efficacy of Earplugs as a Sleep Hygiene Strategy for Reducing Delirium in the ICU: A Systematic Review and Meta-Analysis

Critical Care Medicine 2016 online first

ほぼ,ただなのでやってみても良いかもという論文です.クラッシクタイプの耳栓なら一組65円で,まぁまぁええやつなら2組 355円でアマゾンから販売されています.

これ,ええやつ.2組 355円.

Eligibility Criteria

ICU入院している患者に対して,耳栓を使って睡眠改善を図ったstudy.

健常人対象やcross overは除くが,non-randomizedも含めている.

Primary outcome

せん妄の減少.

Secondary outcomes

ICUやhospitalの滞在日数,ICUやhospitalの死亡率,睡眠改善の患者による評価,complianceなど.

検索

MEDLINE, EMBASE, Cochraneから検索.keywordsを決めて再現性のある検索で,言語の制限を設けていない.

2人のauthorsがそれぞれ別々に検索して,不一致はdiscussionした.

こんな感じで,なんだかんだで9個のstudy,1455人の患者がmetaに組み込まれた.

9個の詳細はこんな感じ.

耳栓以外に,ノイズキャンセリングイヤホンやアイマスクも使っていたりするものもある.

RCTは6つ.

続き.

せん妄をoutcomeにしているのは6/9.

studyのbias評価はJadadとかではなく,それぞれが表になって載っている.

blindがしづらい事もあって,正直言って,どれもbias riskは高い

統計解析

heterogeneityはI squaredとp valueで評価.I squaredのcut offは40%以上で.

結果はRR+95% CIで表現.

Sensitivity analysisは,biasリスクが低いものだけと,耳栓だけのinterventionのstudyだけとの2つで行う.

結果

段がRCTだけ.

下段がnon-RCTだけ.

いずれもRR 0.6程度で,どれかがmetaの結果をひっぱっている印象はない.

合わせても0.59 (0.44-0.78)と有意にせん妄を減らした.

但し,I squaredが大きい.

とはいえ,Sensitivity analysisでRCT vs non-RCT, 耳栓alone vs 耳栓+αに差はなかった.

多分,耳栓単独だけでは有意差は出ていない.

若干無理はあるが,Sensitivity analysisでも同様の結果が確認できていると言って良いだろう.

死亡率は全体的に減少傾向ではあるものの,有意差なし.0.77 (0.53-1.11)

これはheterogeneityは低い.

他のoutcomeもmetaでは有意差を認めなかった.

complianceは,86.9%と良好

外した理由は,

①本人が嫌がった,

②外れていた,

③医学的必要性で外さざるを得なくなった.

3つ目がどういうのかはよくわからない.

Funnel Plotはこんな感じ.

一応左右対称だけど,なんせnが少ない.

正直なところ,metaの質は低い

しかしながら,なんせ,害が無いし,安いのでやってみる価値はある.

つい最近,NEJMがmedical Taylorismの問題を取り上げていたし,私もその通りだと思うが,やはりコストはコストで意識しなければならない.

少なくとも以前紹介したロゼレムよりは現実的.効果は弱いけど後ひと押しの時に薬より良い気がする.

特に我々の入院患者はほとんどがERから上がってくる高齢者である.

昨年の7月の論文で,EDにおけるRASSが0以外の高齢者(65歳以上)はせん妄になりやすい(感度 85%, 特異度 88%),RASS -1, 0, +1以外の人なら特異度100%でせん妄になるという文献もあった(Acad Emerg Med. 2015 Jul;22(7):878-82)ので,EDでリスクを層別化して,疑いが強い人はやってみたい所.

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