Frozen vs Fresh Fecal Microbiota Transplantation and Clinical Resolution of Diarrhea in Patients With Recurrent Clostridium difficile Infection A Randomized Clinical Trial
JAMA. 2016;315(2):142-149
RCTが2つ出ていて,systematic reviewもでているFMT(う◯こ移植)ですが,
冷凍う◯こ vs 新鮮う◯この非劣性RCT.
以前読んだNEJMのFMTでは,freshう◯こだったので,オンコールならぬ,「う◯こーるが必要だね」と言う話がでましたが,これで,「う◯こーる」の必要は無くなりそうです.
Patients
18歳以上の再発性,あるいは難治性CDI
CDI:3回/日以上の下痢が48時間以上持続で,
CD toxin A, B陽性か,toxin B geneのPCR陽性.
再発性:CDIを10日以上治療したのに,8週間以内に2回以上再発した.
難治性:VCM 500mg QIDを5日間投与したにも関わらず,治らない.
Intervention vs Control
冷凍う◯こ vs 新鮮う◯こを注腸で投与.
抗生剤は24時間以上前に中止.
重要(だと個人的には思う)なので,
う◯こpreparation,投与プロトコルも見ていく.
【う◯こpreparation】
・う◯この大半は選ばれしvolunteer 3名から提供
・Bakkenらの推奨に従ってドナー選出.
・ざっくり言えば,健康で,感染症リスクや腸疾患がなくて,旅行者下痢症のある国に行っていなくて,HIV, A,B,C肝ウイルス,梅毒,便培養,ジアルジア抗原,クリプトスポリジウム抗原,ジアルジア抗原,サイクロスポラ,イソスポラ,クリプトスポリジウムの抗酸菌染色,寄生虫検査,便中ピロリ抗原の検査陰性確認.
・ドナーは6ヶ月毎にスクリーニング(感染症や消化管疾患など)
・う◯こは5時間以内にprocessing laboratoryに輸送。約100gを300mLのミネラルウォーターで溶解し、木製のヘラで乳化した後、ガーゼで濾し、1回量を50mLとし、冷凍または5℃で保管された。
・これまた,ざっくり言えば,昆布で出汁とって昆布捨てるようなもの.
・新鮮う◯こFMTは、24時間以内に使用
・冷凍う◯こFMTは、-20℃で最大30日間保管され、解凍は25℃で一晩かけて行われ、解凍から24時間以内に使用
【FMTのプロトコル】
・腸管洗浄は行わない.
・day1に50mLのう◯こ(冷凍または新鮮)を注腸
・day4までに改善しない症例は、同一う◯こをday5〜8の間にもう一度注腸
・2回のFMTで改善しない症例のその後の治療方針は相談して決めた
Outcomes
Primary Outcome:13週までのCDIの再発,安全性
Secondary Outcomes:subgroup analysisなど.
論文の妥当性
double-blind, noninferiority RCT
割り付け:computer-generated
層別化:65歳以上/未満,市中/院内,再発回数1回/2回以上
目隠し:う◯こpreparationする人だけunblindだが,患者,investigatorは目隠しされている.
統計解析:非劣性試験なのでper-protocolをprimaryに持ってくる.modified-ITTも行う.
非劣性マージンは-15%に設定.特に根拠あるわけじゃない.
efficacy (effectivenessではない) は85%と見積って,α=0.05, β=0.20で10%脱落を想定して156人必要.
当然,片側検定.
結果
計37人が,フォロー期間中に抗生剤投与されて脱落している.
その他,数人割り付けと別のFMTをされている.
baselineは,有意差無いということだが,fresh FMT群でsevereが多い気がする.
retract論文では,baselineに差があるのにないと嘘をついているという話もあったので,p値を出してもよいが,baseline全てでp値を出すことに意味があるとも思えずしない.
むしろ,ここで多いと感じた重症度の差をsubgroup analysisで検討することとする.
まずは全体の結果.
表だけでは信頼区間が表記されていない(何故?)のでわからない.
本文から拾うと,
per-protocolで83.5% vs 85.1%で,
differenceは-1.6% (-10.5% 〜∞)となり,非劣性.
非劣性に対する p-value=0.01
mITTでも同様の結果.
気になった重症度のsubgroup analysisを見ておく.
mildでは,信頼区間下限が-19.8%とむしろ,劣性となってしまっているが,
重症例では,nが激減しているにもかかわらず,-2.9%と非劣性.
まぁ.baselineの違いは結果を変えたとまでは言えないと考えて良いだろう.
副作用は同等.
①すぐ使える!
②スクリーニング費用減少!
③他施設にデリバリー!
つまり,
①早い!
②安い!
③出前できる!
という点が証明されたと言える.
50年ほど前,冷凍技術が食品流通産業に革命を起こした様に,
「う◯こーる」に革命をもたらすのかもしれない.
個人的には,選ばれし3人のう◯このsubgroup analysisを知りたかった.
この人のう◯こは,劇的効果をもたらす,とかあったらおもしろい.
これが一般的になれば,ブランドう◯ことか出てくるのかもしれない.
選ばれしブランドう◯こ保持者は,出社して,う◯こして午前退社.半年に一回検診.
なかなか競争激しそうな市場ではあるが.
ちなみに冷凍う◯こカプセル(15錠分1,2日間)を内服させたら70%で治癒したというpreliminary sudy (JAMA. 2014;312(17):1772-1778)もあり.
こちらも非劣性RCTが組まれたらいよいよ製品化も近いかも知れない.
どうせなら,blindもできないし,可能性は低いとはいえbio-creepを避ける為にfresh FMTとの非劣性が望まれる.
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