A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control
NEJM 2015; 373: 2103-16
50歳以上の高血圧患者に対してintensiveな降圧を行えば,心血管イベントが減ったというもの.
Patients:
50歳以上の高血圧患者で,心血管イベントリスクが高そうな人.
inclusion criteria:
・50歳以上
・収縮期血圧が130以上.
・下記のリスクのどれかが有る.
clinical or subclinicalに心血管疾患がある.
CKDがある eGFR 20-59 ml/min.
Framingham risk score でCVD riskが15%以上
75歳以上.
・clinical CVDとは
MIに対してPCIやCABGなどの行った.
CEA, CASの既往
PADに対してinterventionを行った.
ACS, GXT(graded exercise test)でのECG change
50%以上の血管狭窄ある.
5cm以上のAAAがある
・subclinical CVDとは
calcium score 400以上
ABI<0.9以下
LVHがECGで指摘されている
exclusion criteriaのうち重要なもの:
・MIに対してβ-blockerが必要なのに投与されていない人
・二次性高血圧
・起立性低血圧
・糖尿病患者
・脳卒中の既往
Intervention:
アルゴリズムに従って降圧剤を投与し,sBP 120mmHgを目指す.
controlは140mmHgを目指すが,130mmHg以下や135mmHg以下が2連続なら投与量を減らす.
こんなアルゴリズム.
とりあえず,サイアザイド,ACE/ARB, CCBの中から自由に2か3種類選べる.
Outcomes
Primary Outcome:
MI, MI以外のACS, stroke, 心不全,CVDによる死亡のcomposite
Seconday Outcomes:
primary outcomeのそれぞれ.全死亡とprimary + 全死亡
副作用も調べられている.
統計学的には
20%のeffectを調べるのにβ=0.113, α=0.05でn=9250必要.
目隠しは評価者だけ.
結果.
baselineはほぼ同じ.
ITTで検討している.
実際の血圧はまずまず.コントロールできている.
中間解析で有意差がでたため,follow途中で終了.
HRとしては,CVD compositeでも全死亡でも0.75くらいで有意差が出ている.
もともと腎機能が悪く無い群では,intensive群で有意にHR 3.49で腎機能が増悪している.
subgroup analysisでは,
CKDが無いこと
75歳以上
男性
過去のCVDがない事
もともとの血圧が低い事
が,よりより結果と関連していた.
副作用は,
AKI/ARFがHR 1.66,
低血圧がHR 1.67,
低Naや低Kの増加が見られた.
起立性低血圧はむしろHR 0.88で減少傾向.
転倒も増加していない.
われわれの対象患者になりやすい75歳以上での解析でも転倒はHR 0.79と有意差を持って減少していた.
内的妥当性に関しては,測定血圧がクリニックでのものだというのが気にはなる.RCTなので問題はないと思われるであろうが,家庭血圧はもっと低いのかもしれない.
あと,open blindであるのがどうしてもバイアスを処理しきれていない.
外的妥当性としては,転倒が少ない様なのでが,個人的には日本での熱めのお風呂-->失神-->溺水があったりするので,日本に当てはめて良いかはちょっと興味がある.
とは言え,よく作られている論文だし,最近出たLancetのBlood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death: a systematic review and meta-analysisにもある様に,ちょっとリスクあって,副作用が出にくそうな人では,正常範囲でも低い方に持っていく方がよいのだろう.
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