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変形性膝関節症の薬物治療は関節内投与がよさげ.

Comparative Effectiveness of Pharmacologic Interventions for

Knee Osteoarthritis

Ann Intern Med. 2015;162:46-54.

昨年にでたNMA: network meta-analysis.

OAには,関節内注射の方が良さそうですが,侵襲性も考えると難しい所.

単関節炎なら診断の意味も含めて関節穿刺するのは良いかもしれません.

NMAは,ISPOR(Value in Health 2011; 14: 417-28)に沿って読み進める.

inclusion criteria

膝のOAに対する内科的治療の比較で3ヶ月のfollow期間.

年齢などは記載されていない.

MEDLINE, EMBASE, Web of Science, Google Scholar, CochraneからRCTのみを抽出.

評価項目は痛みが入っているもの.

言語,出版日は限定しない.

学会発表などのhand searchも行う.

さらに,FDAやClinicalTrials.gov,製薬会社,expertなどに問い合わせることでunpablished dataまでチェック.

2人が独立して抽出文献をscreeningして,不一致はconsensusを得て解決.

data抽出も2人で行う.細かい条件はいろいろ書いてある.

バイアスはCochrane risk-of-bias toolで評価.

outcomeは痛みで検討.

痛みの変化をHedges g effect size(変化をpooled dataのSDで除したもの)というものに変換し標準化している.

統計解析

ここが重要かつ,みんなが興味がないところ...

Bayesian random-effects modelでNMAを行う.pairwiseとかfixedは行わない.

まだ,この辺難しくてよくわからないが,ベイズ統計学の最大の強みであるMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法)とかをNMAに利用する様です.MCMC自体は勉強しましたが,どう利用するんですかね?イマイチわからない.もう少し勉強しないと行けないところ・・・

direct, indirect, mixedのconsistencyはnode-splitting法で検討.

結果は,effect sizeの中央値で表現.

その他,感度分析,メタ回帰解析,subgroup解析を行っている.内容は研究の質やサンプルサイズ,WOMACというpain scale.

何だが難しいこと書いて来ましたが

要するにちゃんとやっていそう

結果.

こんな感じで137個のRCTが集まった.

Networkでみるとこんな感じ.

biasリスクはこんなもの.celecoxibのdirectがややバイアス大きい.

Rankingで言うとこんな感じで,関節内注射が良い傾向

関節内プラセボ注射もアセトアミノフェンよりはいい結果で,他の内服薬とも有意差なし.関節内ステロイドやヒアルロン酸と比較すれば有意差はある.

副作用はNSAIDsで消化器症状や副作用による中止が多かった.

NSAIDsとcelecoxibでの心血管イベントの発生は,そもそも報告している論文が少ないが,投与期間が短いからだろう.

関節内投与群での副作用は局所の痛みや腫れで数日で治るものばかりだが,

1例だけ化膿性関節炎になっていた.NNH=9500注射

Funnel plotはなかったが,本文中でも出版バイアスは否定出来ないとの記載.

結論

NMAは,やっぱり読むのが難しいが,一粒で10粒おいしいので頑張りたい所.

トラマドールが入っていなかった

安定したOAには,関節内ヒアルロン酸注射を考慮しても良いのだろう.

ステロイドの関節内注射については,どちらかと言えば効果がいまいちというメタもあるので(Cochrane Database Syst Rev. 2015 Oct 22;10:CD005328.),あえてステロイドでなくても良いだろう.

総合診療科的には,OAの増悪と他の関節炎との鑑別が問題になる患者がやってくることが多い.その場合には診断も兼ねて関節液の採取,および排液が妥当と思われる.

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