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「総合診療」連載開始

 医学書院の医学雑誌「総合診療」の4月号から連載が始まります。タイトルは「日常診療で使うクスリと、日常診療に潜むリスク」です。

総合診療科が本領を発揮する分野は高齢者疾患や心因性疾患などいくつかありますが、次のターゲットは薬の副作用です。おそらく総合診療科医は薬の副作用に最も遭遇する(気づく)科の一つではないかと思います。複数の科にハシゴしている患者さんは一見関連のない副作用が生じても処方した医師に伝えてくれないことがありますが、総合診療科では専門がない分だけ、患者さんも気楽に教えてくれます。そのためか私の外来には薬の副作用の患者さんが必ず毎日一人は受診しています。

 実は、私は薬の副作用が好きです。なぜかというと医師がちゃんと気づきさえすれば容易に治療をすることができ(治療をやめることができ?)、また、ちゃんと注意さえすればその病気を未然に防ぐことができる数少ない病気だからです。そのためか私の定義する「総合診療医」とは不要な薬剤を安易に出さない医師であることを条件の一つとして挙げています。

 さて、第1回目は薬剤による浮腫をテーマに選びました。三大原因はNSAIDS、Ca拮抗薬、漢方薬です。

NSAIDsはCOX-2選択性にかかわらず浮腫来しますのでアセトアミノフェンを使うべきです。

 カルシウム拮抗薬は半年以上してから浮腫を来すこともざらですので、忘れたころに起こりうることを覚えておくべきです。L型(ペルジピンやアダラート)よりは、T/L型、N/L型Ca拮抗薬(アテレックとかコニール)のほうが細静脈を拡張し毛細血管内圧は高くならないため浮腫は少ないとされます。

 漢方薬のうち70%に甘草が含まれており浮腫を来す危険性があります。漢方薬と甘草含有量の一覧もつけたので参考になれば幸いです。

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