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不動産業も医業も同じ

今回知人が一戸建てを建てることになりました。 その話を聴いて色々思うところがありました。

不動産屋選択は完全に失敗だったそうです。 誰もが知る大手不動産屋でしたので特に調べて選んだというわけでもなく店に入りました。 担当者はまだ不慣れな感じがする人でしたが宅建の資格をもつ「プロ」でした。 新人さんなのかちょっと質問すると奥へ行って誰かに聞いてくるのですが、これはむしろちゃんと調べてくるので印象は悪くありませんでした。 「書類はいつでもお持ちします。今日の夕方でもいいですよ」、というフットワークの良さに好感を覚えて契約しました。 一緒にお世話させて頂きますという上司もついていたのでそれも安心ポイントでした。

しかし、前回の面談でこちらが聞いたことをちゃんと調べていないし、手配もしていないというのが続き、不信感で一杯となりました。 対策として上司にもわかるように口頭での連絡をやめて、宛先を上司との連名にしたうえで書類でのやり取りにしましたし、質問点が分かりやすいように箇条書きとしました。 また堪りかねて直接苦言を呈してしまいましたが、やはり担当者も上司の態度も変わりません。 結局、不動産屋が信用できないため、無料税理士相談で相談したところ、不動産屋が勧める方法で手続きをしていくと譲与税やらで多額の追加費用がかかるところをで指摘されました。 担当者は住宅ローンもろくに手配できないので住宅ローンも仲介を頼まずに自分で手配したそうですし、司法書士に関しても同様に自分で手配をしました。 不動産の中間マージンは十万の単位ではきかない額を払っているので後悔しか残っていません 不動産屋を変えなかった理由は、売主に迷惑がかかるからという理由だけだそうです。 今後この不動産屋に頼むことは絶対にないし、私にも忠告しておくとこの話を教えてくれた訳です。

今回、このエピソードを紹介したのは、我々医療従事者もこの話で襟を正すべきことがあると思ったからです。 多くの患者さんはどの医者がよいのかなどわからずに外来に飛び込みます。まるで私の知人が近くの不動産屋に飛び込んだように。 そして医業はサービス業である、という認識がないと上記のように患者さんに不快な思いをさせます。

・医師免許がある以上、研修医であってもプロとしての対応が求められる。 ・研修医も病院の看板を背負っているし、上級医のフォローも患者さんからチェックされていると思え。 ・分からないことは分からないと言ってよいが、可及的速やかに調べて(次回外来までに?)忘れずに報告する。 ・患者さんから言われたことは忘れないようにすぐメモれ。2-3回小さなミスが重なるともはや信頼は取り戻せない。 ・問題点は箇条書きにしてすべて解決したか確認せよ。

また不動産取引では預金や借金、年収など、普通は話さないようなプライベートな内容を曝すことになり、かなり抵抗があったと話しています。

・デリケートな情報を聴取する際には、なぜその情報が必要なのかをしっかりと伝えるべし。 (例:MSMの病歴などはその最たるものだが、心理社会的背景についても同様です。例えば我々はストレスの大きさで一般的な心因反応として了見可能なものか判断しますし、いつ頃に解消するストレスなのかも分からなければアドバイスや薬物治療の適応も決められません)

そして不動産の購入は自分や家族の人生を決定づける大事な決断ですから、安易に選択するのも考えものです。 しかし我々素人にはどこの不動産屋がよいのか皆目見当が付きません。

・治療方針の決定は患者人生を左右しうる重大な決定であることを認識せよ(医者自ら2nd opinionを求めるのは恥ではないく、患者サービス!)

しかし、最も友人が怒ってたのは契約前日に必要な公的書類を追加を言われても、共働きの友人にはどうすることもできないことです。 これは金融業者でも同様なことがあったそうで、契約内容自体が良くても信頼を失わせるに十分たる過失でした。

なぜならば契約内容・診療内容が如何に素晴らしいかは素人からは判断しがたいですが、事務手続きの不備は誰にでも分かるからです。

・多くの医者は様々なサービスのための情報に疎い(と思う)。管理課やMedical social workerとの連絡を密に!

一方、ハウス・メーカーの対応は素晴らしかったそうです。さすが今後も付き合いが続く業者の営業担当者は一流です(外来が流行る病院はサービスが良いと言えるのかも知れません)。 間取り・見積り相談のみならず、様々な法律や税金に関することもアドバイスしてもらいました。何を言っても「対応しますよ」という態度は評価が高かったです(総合診療みたいなもの?)。そのうえでデメリット等も説明し本当にお勧めのものに誘導する能力はさすがです。 押しつけ感がなく「選択枝の一つとして考えておいては如何でしょうか」ぐらいから始まりますが、こちらが興味をもつと情報とどっと与える手腕に脱帽でした。

・YES, BUT・・は逆効果。 ・対象者の興味の程度を把握するのは、物を売り込むのにも生活指導にも必須なスキル。

複数の業者と相見積もりなどを行うため、取引しないと思っている業者からも連絡が沢山来ます。 そうすると、気に入っている業者からの連絡は早ければ早いほど嬉しいが、気に入っていない業者からの連絡は面倒と感じてしまいます。 人間って勝手な生き物ですね・・・・

・予想以上の速さの対応(次回予約を待たずに電話)はポイントが高い。ただし重要度によって鬱陶しさと紙一重。

明日から外来での説明をより丁寧に頑張ろうと思います!

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