短いLetterですが、Internal Medicineに掲載されました。
Intern Med. 2016;55(7):853.
薬剤性肝障害でDIHSが疑われ、HHV-6再活性化が証明された症例で、皮疹がなかった興味深い症例報告がありました。当院でも同様のケースで皮疹も発熱もなかったのですが、どうしても気になって、HHV-6 DNAを検出し同様なケースと考えられたためLetterとして報告しました。
なぜDIHSの診断基準を満たさないのに我々がHHV-6再活性化を疑ったかですが、
1)Culpritとなる薬剤(抗けいれん薬、アロプリノール、ダプソン、SASP、メキシレチン、アセトアミノフェンなど)の投与先行
2) 肝障害が発症するまでSeveral weeks以上と遅い
3) 好酸球増多や異型リンパ球の存在
4) 薬剤中止で改善が不十分
の4項目を満たしたからです。
保険適応外の検査となるため患者さんに十分説明した上での検査となりますが、こういったケースは本当は多いのかも知れません。
実は当院ではIEに対してのCTRX長期投与で発症したDIHS確定例もいました。βラクタム剤でDIHS/DRESSが起こる報告はほぼないため、非常に貴重な症例ですがかなり以前の症例でIDすら分からなくなってしまっています。将来の医学のためにちゃんと報告していかなければなりませんね。