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ICU重症患者におけるハロペリドール予防投与はせん妄を減らさない.

Preventing ICU Subsyndromal Delirium Conversion to Delirium With Low-Dose IV Haloperidol: A Double-Blind, Placebo-Controlled Pilot Study

Crit Care Med 2016; 44:583–591

せん妄の治療は,昼間動かすなど(当院では,挿管してても歩かせることもあります)が,最も重要ではあるものの,ICU重症患者における薬剤によるせん妄予防効果については検討されていない.

ということで,ハロペリドールを予防投与してみたが,やっぱり効果はなかったという論文.

Patients:

ICUに入室し,挿管されていて,ICDSCの評価でsubsyndromal deliriumと診断された患者.

exclusionは,こんな感じ.

ものすごく変なものはない.

ただ,当院に多い,認知症患者や,高齢者は除かれている.

Intervention: ハロペリドール 1mg qid.

Control: 5% Tzで見分けがつかない.

Outcomes: せん妄の発生率,副作用など.

double-blind RCT

割り付けは,computer generatedで,1:1

目隠しは,患者,評価者両方.

ITTで行っている.

介入以外の治療.プレセデックスや,その他の向精神病薬の使用は禁止されている.

size

10%の減少を見込んで,各armがn=34必要.

結果.

こんな感じで,予定の34人ずつ集まった.

背景は似た様なもの.

せん妄の発生率は,35.3% vs 23.5%とむしろハロペリドール群で多い印象.

他のsecondary analysisも,差はなし.

Kaplan-Meierだとこんな感じ.とても予防投与する気にはなれない.

発症した後も,ちゃんとせん妄が続いている.

人工呼吸器の気管やICU滞在期間など全てで有意差なし.

副作用は,当たり前だがハロペリドールで少しだけ生じている.

結論.

ICU重症患者において,ハロペリドールの予防投与は意味がないだろう.

個人的には耳栓を推したいところ.

しかしながら,ちゃんと意味がないというエビデンスを出したことは重要だと思う.

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