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造影MRIで脊髄にパンケーキができる

本日のカンファで造影MRIに興味を示した理由

脊髄症では脊髄の異常信号域を呈しうるが、パンケーキ様と例えられる造影MRI異常所見は、術後臨床所見が改善しても残存・増悪しうると報告されている。

Neurology. 2013 May 21;80(21):e229.

①頚椎症性脊髄症疑いにて,②術前MRIで造影を認める病変を認め,③除圧術が行われた症例を56例集めた報告(同じMayoの人の報告)

Ann Neurol. 2014 Jul;76(1):54-65.

T2強調画像(矢状断)における紡錘状の高信号病変は100%,脊髄の腫脹は79%に認められた.パンケーキ・サインは73%に認められ,典型的には狭窄の一番強い部位のすぐ尾側に出現する.水平断では灰白質に造影所見が見られることはなく,脊髄の辺縁部分が造影される.

40例(71%)で,初期には腫瘍性ないし炎症性ミエロパチーと診断され,除圧術の施行は,中央値で11ヶ月(範囲1-64ヶ月)遅れた.白質のグリオーシスと血管周囲の炎症を認め,造影所見に関連する変化と考えられた.術後の経過では,95%の症例では,改善ないし症状の安定が見られた.

ガドリニウム造影所見は程度は軽減するものの,術後12ヶ月の時点で75%の症例で持続した.最終の診察時(中央値60ヶ月[10-172ヶ月])において, 20例(36%)が歩行時の介助を要したが,これを予見する因子として,術前における歩行の介助が挙げられたが,手術の遅れは関与しなかった.

なお、脊柱管狭窄に伴う脊髄腫脹・造影が疑われれば、生検は必要なく、まずは除圧後の経過観察が妥当。
Br J Neurosurg. 2012 Aug;26(4):450-5.
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