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「脳卒中症候学 症例編: 診療の深みを理解する」に丸太町病院から2症例掲載


nav-config-asset-injection JP::desktop::standard::66766:C::auiDebug=0::isSecure=0 navc-Sy0B1sQ1WU0fROxcW0+I28S3ygdPVHv4pEsMqzpJq1/HkLoTf8AvSj2iFI5WosmYX7/R7GEB460= rid-1205A230472HR13D73DA seq-173 (Sat May 28 20:44:45 2016) **CACHED-BY-NCCC** [if lt IE 9]><style> .centerslate span { display: inline-block; height: 100%; } </style><![endif]2016年5月30日に発刊の「脳卒中症候学 症例編: 診療の深みを理解する」に丸太町病院の2症例が掲載されました。

2010年に刊行された「脳卒中症候学」の続編にあたり、症候学の基本は症例の検討にあるという考えから、典型例・希少例・鑑別を要する症例など、全165編の症例論稿を収載しており、全699ページというボリューム感たっぷりの作品です。

 毎月当院で神経内科領域の指導を頂いている秋口一郎先生により、当院の2症例につき非常に深い御考察を頂きました。本当に勉強になります。この書籍は総合診療科向けというよりは神経内科専門医向けの高度な内容になっていますが、当院でも毎月行われている神経内科カンファレンスで、同様な考察に触れる機会に恵まれていますので、今後より一層、神経内科領域のスキルアップを図って行きたいです。

さて、内容を極々々簡潔に紹介します。

1症例目

 一過性の片麻痺、記憶障害ともとれる病歴だがあまりに非特異的だった。 身体診察では運動感覚障害はほぼほぼ認めなかったが、麻痺側と対側のHorner症候群を認めた。 このHorner症候群がきっかけで脳梗塞を疑いMRIを施行した。 さて、予測される病変部位はどこか? Horner症候群といえばWallenberg症候群と思ったら間違い。 Horner症候群があるということは頚髄(側索)~視床下部のどこかで障害されているということ。 Wallenberg症候群では錐体路障害はこない(脳幹は内側が運動系、外側が感覚系と覚えておくとよい) 答えは前乳頭体枝動脈梗塞(前内側視床梗塞)による視床下部障害。疑って診察すると軽い麻痺も自発性低下もピッタリ 。 2症例目

同名半盲(楔状同名部分半盲?)、完全片麻痺、激しい疼痛(中枢性疼痛)を呈した脳梗塞 中枢性疼痛なので視床?、半盲もあり外側膝状体を潅流する外側後脈絡叢動脈領域の梗塞か? またも外れ。答えは前脈絡叢動脈の梗塞(Monakow症候群)でした。 前脈絡叢動脈は内頚動脈の枝で、内包後脚と外側膝状体~視放線を潅流しており、前脈絡叢動脈の梗塞では片麻痺・感覚障害・部分半盲を呈しますが、確かにこの症例では視床梗塞としては麻痺がかなり高度ではありました。 なお、前脈絡叢動脈領域の梗塞での中枢性疼痛は過去に報告がありません(この症例は論文投稿中)が、興味深い考察が書いてあります。

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