吸入インダカテロール/グリコピロニウム(IND/GLY)合剤はEU・日本・オーストラリア・スイス・アメリカなど80カ国以上で承認されている。LANTERN studyは中等度~高度のCOPDの人で、過去1年の増悪回数が1回以下の患者においてIND/GLYとLABA/ICS(SFC・サルメテロール・フルチカゾン)の効果と安全性を比較している。
まずは、LANTERN studyのデータを紹介
ざっくりいうとFEV1はLABA/LAMAのほうが優れていて、
サブグループでみても信頼性は高そう
LABA/LAMAのほうが急性増悪も少ない
副作用も特に増えるものはない(死亡者だけはなぜか多いが、誤差範囲)。
今回の報告は上記、LANTERN studyの中国人コホートにおいてのIND/GLYとSFCの効果と安全性を検証したものです。LANTERNは中等度~高度のCOPDで、過去1年の増悪回数が一回以下の患者において行われた26週の多施設ランダム化盲検ダブルダミー並行群間試験である。患者は1日1回のIND/GLY(110/ 50μg)もしくは1日2回のSFC(50/500μg)吸入群にランダムに割り付けられた。
主要評価項目はIND/GLYをSFCと比較たトラフFEV1の非劣性である。LANTERN studyで割り付けされた744人のうち、598人(80.4%)が中国本土の患者で、IND/GLY群に298人、SFC群に300人割り付けられた。そのうちの553人(92.5%)が研究を完遂した
中国人がほとんどを占めていたため、サブグループといっても大多数派。背景も大きな違いもないか。
IND/GLYはトラフFEV1、FEV1AUC0-4h、ピークFEV1、トラフFVCのベースラインからの変化量においてSFCに比較し統計学的有意、また臨床的に有意な改善の優越性を認めた。中等度~高度の増悪の年率はSFCに比してIND/GLYで有意に低かった(43%)(rate ratio 0.57, p=0.015)。
副反応もIND/GLY(34.6%)ではSFC(43.1%)に比較し低かった。本研究の中国人サブグループで、IND/GLYはSFCと比較し気管支拡張を達成する上で優越性があった。
情報量が多いので、貼り付けるだけで時間が来てしまったので、詳細は割愛し、感想。
他意はないですが、ノバルティスの援助を受けている研究です!! そうじゃないとダブル・ダミーで行う資金は得られないかも知れませんが。日本の研究も大失態が相次ぎましたが、中国も信頼性が低いという噂はちらほら。どうしても疑念の眼でみてしまう。
しかし、研究の内容としてはよさそうで、LABA/LAMAは呼吸機能や急性増悪の点からはICS/LABAよりも優れそうである。死亡率や副作用、忍容性に差異はない。
我々は新たな薬剤を使う機会が増えてはいるが、気管支喘息にはICS、COPDには気管支拡張薬というその大筋は変わらない。COPDにICSが有用な報告もあるが、COPD患者に対してはAsthmatic componentのある亜型(ACOS)をどのように臨床的に見抜いてICSの追加を検討するかが大切であると思う。
誤嚥性肺炎繰り返しているCOPDに急性増悪繰り返すとしてICSを導入しないように!!