呼吸器カンファの続きです。European Respiratory SocietyとAmerican thoracic Societyが声明を1年前にだしました。
簡単に言うと、間質性肺炎があって、他の原因がないけども、膠原病の診断基準を満たさない場合にInterstitial pneumonia with autoimmune featuresと呼びましょうというものです。
声明からは臨床所見の中では手指を中心とした皮膚関節所見をしっかりとりましょうという提案ともとれます。
Eur Respir J. 2015 Oct;46(4):976-87.
これは間質性肺炎(特にNSIP)に遅れて膠原病が発症するからです。
Respir Med. 2016 Aug;117:40-7.
丸太町病院でもSystemic Sclerosis sine scleroderma、関節症状に先行したCOPでRA、ARS抗体陽性でのIP単独症例などよく経験します。
この報告を鵜呑みにすると沢山の自己抗体を提出することになりかねませんが、症例報告と経験則からANA、ARS抗体、SSA抗体、RF、CCP抗体、ANCAだけを検討すればよいというローカル・ルールを当院では運用していましたが、全く同じ内容を提唱する論文が出ていました(Jo-1とARSだけの違い)。
Respir Med. 2016 Apr;113:80-92.
膠原病の特徴を持っていても予後は変わらず、UIPパターンならば予後不良、NSIPなら予後良好ということで、特別なにか変わるわけではないのですが、フォローする時に気にする所見が決まってくるので心構えは変わるでしょうか。
Eur Respir J. 2016 Jun;47(6):1767-75