雑誌「総合診療」の連載です。
今回は薬疹を取り上げました。
症例:50歳男性
現病歴:10日前に高尿酸血症に対してアロプリノールの服用を開始した。1日前からの38.1℃の発熱、皮疹を主訴に救急外来を受診した。
既往歴:特記すべき既往なし(痛風発作や尿管結石の既往もない)。
身体所見:体温:38.2℃。四肢・体幹に直径2㎝以下の紅斑が散在。
薬疹と考えアロプリノールを中止、抗ヒスタミン薬を処方し、外来通院予定とした。
ところが、、、
2日後に症状が軽快せずに再受診した時には、明らかな粘膜疹を認め、Stevens-Johnson症候群と考えられ緊急入院となった。
(他院症例を一部変更しています)
どうやって気づくべきだったか
救急外来のカルテには粘膜疹の記載はなかったが、救急外来受診前より眼脂の増加、眼瞼の開けづらさ、排尿時痛を自覚していたことが確認された。
という教育的症例をご紹介しました。
アレルギー性の薬疹は薬剤投与から2~3週間以内に麻疹様の紅色小丘疹で発症するのが典型的である
発熱と共に粘膜皮膚移行部病変(眼・口腔~口唇・尿道・肛門病変)がある場合はStevens-Johnson症候群(SJS)を考える。
服薬開始から発症までの期間が長い重症薬疹では、薬剤性過敏症症候群(DIHS)を考える。
それぞれ、疫学データをつけて解説しました。
また、小膿疱を伴う急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)も一度みれば忘れない皮疹なので掲載しています。派手な皮疹で驚きますが抗菌薬やNSAIDなど原因薬剤を中止すれば1-2週間で治癒します。