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JC:風邪に抗菌薬処方を悩んでも処方せずにフォローが妥当。

Prescription Strategies in Acute Uncomplicated Respiratory Infections: A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. 2016 Jan;176(1):21-9

背景:  抗菌薬の遅延処方(Delayed antibiotic prescription)は、症状緩和のために使用される抗菌薬の使用を減少させることに役立つ。遅延処方の仕方には異なる方法があるもののどれが最も効果的かは未だに明らかになっていない。 目的:  急性の非複雑性呼吸器感染症における2つの遅延処方の有効性を評価する。 方法:  我々はオープンラベル・ランダム化臨床試験において、スペインの23施設のPrimary centerから405人の急性非複雑性呼吸器感染症の成人を登録した

介入  患者はまずは抗菌薬のわずかな利益と、副作用の可能性を説明したうえでランダムに以下の4群に割り付けられた。盲検化なし (1) a delayed patient-led prescription strategy :初回に抗菌薬を処方し症状増悪時に内服するように指導。 (2) a delayed prescription collection strategy :症状増悪時に受診してもらい抗菌薬を処方。 (3) an immediate prescription strategy; 初回から抗菌薬を処方し内服を開始する。 (4) a no antibiotic strategy. ;抗菌薬を処方しない。症状増悪時は再度受診。

 咽頭炎では5日、それ以外では10日改善しない場合は再受診を薦める Primary outcomes は有症状期間と症状の重症度とした。それぞれの症状は6点満点のLikertスケール(3~4点が中等症、5~6点が重症)を用いて評価した。Secondary outcomes は抗菌薬の使用、患者の満足度、抗菌薬の効果に対する患者の信頼度とした。

一群150人必要なサンプルサイズのはずが、100人程度しか資金の問題で集まらず。

結果: 計405人の患者が登録されうち398人が解析された。136人(34.2%)が男性で、平均年齢は45(±17)歳だった。症状重症度の平均は、Likertスケールで1.8~3.5点であり、平均期の有症状期間は初回受診から6(±6)日間だった。初回のgeneral health status (0~100点で高いほど健康)は54(±20)点だった。314人(80.1%)が非喫煙者で、372人(93.5%)が呼吸器感染症の合併がなかった。初診時の症状頻度は4群間で同等だった。

重症の症状を呈した平均期間は、即時処方群で3.6(±3.3日)、処方しない群で4.7(±3.6)日だった。重症症状を呈した期間の中央値(interquartile range [IQR]) 四分位範囲)は、増悪時の再受診し抗菌薬を処方する群で3(四分位範囲1-4)日間、初回に抗菌薬を処方し増悪時に抗菌薬の内服を指示した群で3(四分位範囲2-6)日間だった。最重症症状の中央値(四分位範囲)は即時処方群と再受診群で5(四分位範囲3-5)日間、増悪時の抗菌薬内服指示群で5(四分位範囲4-5)日間、処方しない群で5(四分位範囲4-6)日間であった。抗菌薬を処方しない群、遅延処方群での抗菌薬の使用量は少なく、抗菌薬の効果に対する信頼性も低かった。患者満足度は4群間で同等であった。

結論:  抗菌薬の遅延処方は、即座処方群と比較して、症状重症度と期間に関してわずかな増悪と関連したものの臨床的には同等であり、抗菌薬使用量は大幅に減少しさせた。

抗菌薬以外の治療について言及がない

治癒するまで平均12日xとは普段の印象より大分遅い。臨床的に意義の乏しい軽度な症状までスコアリングされているため? 遷延性咳嗽の患者を含んだ?(MeanのみでMedianは不明)

処方なし群でも12%で抗菌薬処方受けている→咽頭炎患者はセンター2点以上の患者をエントリーしているが、化膿性合併症の検出にはサンプル数が少ないため、溶連菌感染を疑う状況ならば初めから(迅速抗原検査を参考にするか)抗菌薬処方を行うのが妥当ではないか?

抗菌薬を処方だけしておくというのは、適切な処方とは思えないため、個人的にこのプラクティスを選択することはないだろう

しかし、抗菌薬処方を悩むようなシチュエーションでは慎重な経過観察が妥当であることを示唆する報告と解釈する

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