総合診療1月号は通常版ですが、特別編集号。総合診療は好評なため、増頁してリニューアルするそうです。たしかにこれは手ごたえあります。
特集 総合診療の“夜明け” キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」
■座談会
1980年代|臨床研修指導医派遣制度と家庭医に関する懇談会
“家庭医構想”の光と影
福井 次矢 × 木戸 友幸 × 伴 信太郎 × 松村 真司
1990年代|総合診療の勃興期と、その発展のジレンマ
“病院総合医”の来た道、行く道
松村 理司 × 伊藤 澄信 × 箕輪 良行 × 徳田 安春
2000年代|3学会合併と日本プライマリ・ケア連合学会の発足
家庭医+病院総合医=日本独自の新たなジェネラリスト像
津田 司 × 小泉 俊三 × 前沢 政次 × 藤沼 康樹
2010年代|総合診療、未来へ
新たな挑戦は、もう始まっている!
北野 夕佳 × 平島 修 × 宮内 亮輔 × 富田 詩織 × 山中 克郎
私は、”巻頭緊急企画 明日はどっちだ?「総合診療専門医」”に寄稿しました。執筆依頼を断ることは殆どないのですが、今回ばかりはかなり悩みました。というのも「総合診療専門医」についてほとんど考えたことがなかったからです。しかし、こういった異端児も存在するということを知って頂く必要もあるのではないか、という意見も頂き寄稿するに至りました。
私が言いたかったのは、子供を思う心こそが親の証であるように、総合診療とは一人の患者の全てを診ようとする心意気そのものであるという事です。自分の子供に合わせて親の役割は変わるように、目の前の患者に合わせて自分がすべきことが異なることが今までの専門医とは異なるように思います。
ですから総合診療をやるうえで専門医というための要件は、少なくても大病院で研修することではないと思うのです。私にとって「あぁ。総合診療だなぁ」と感じるのは、目の前の患者さんに対して「うちではない、と言わない事」、そして断らなかったことに対して責任を持てるように「分からないことはその日のうちに勉強する事」の2点です。
他の先生方のご意見を拝見すると、皆色々な経験・苦労をしながら病院総合医を作りあげてこられた歴史と、今後への夢が総合診療には詰まっていることが良く分かりました。自分の不勉強さに良い恥をかきました。
連載の日常診療で使うクスリの、日常診療に潜むリスクについては長くなったので簡潔に。
薬剤性肝障害は急性肝障害の中で最も多い原因である。
3か月以内に新たな薬剤を使用している事が多いが、健康食品や漢方薬は遅発性に肝障害を来しうる。
投薬開始から発症までの期間、投与中止後の改善具合、ウイルス性肝炎の否定、偶発的再投与での再発などで総合的に診断する。
トランスアミラーゼ≧100 IU/LでT-Bil≧2mg/dLならば重症肝機能障害を疑う(ALPやγGTP高値慌てなくて良い)。