単施設研究の後ろ向き研究のLetterではあるが、研修医時代に上司に言われたことと同じだった。
「急変対応で帰りが遅くなった時、必ずほかの患者の状態を確認してから帰れ。急変は急変を呼ぶから。」
Association Between In-Hospital Critical Illness Events and Outcomes in Patients on the Same Ward.
JAMA. 2016 Dec 27;316(24):2674-2675.
1人の患者が心停止か急性代償不全になりICUへ移動する必要があるとき、同病棟の残りの患者には何が起こるのか。この疑問に答えるため、Chicagoの研究者らは2009年から2013年に13の内科・外科病棟に入院した84,000人の患者をレトロスペクティブに調査した。
重篤な事象が4,286人の患者に発現し、その内訳は心停止が179人、ICUへの移動が4,107人であった。指標患者に重篤な事象が発現したとき、6時間以内に同病棟の他の患者に同様の事象が起こる尤度は、重篤な事象がない病棟の患者より高かった(オッズ比[OR]1.18)。
また、6時間の時間枠内に複数の重篤なICU移動または心停止が発現した場合、残りの患者のリスクはさらに高かった(OR 1.53)。
同様の結果は3時間または12時間の解析でもみられた。さらに、重篤な事象後6時間以内の退院は別の時間と比較して、少なかった。
筆者はリソースの問題ではないかと推測している。
チーム医療をしている場合、チームリーダーは急変患者ではなく、それ以外の受け持ち患者をカバーしてあげるべきなのかも知れない。