この講演会は2013年9月に初めて参加しましたが、4時間を一人で担当するという講演会を初めて経験した場でもあります。それから1年に1回ほどのペースで機会を頂いて講演をさせて頂いておりました。
4時間の間一人で話すのは疲れますが、毎度の事ながらちょっと詰め込み過ぎな感じで、とっても濃厚な4時間になったとは思います(話の内容はクスリとリスクの本の内容です)。
聴講頂いた先生からは多くのご質問を頂きました。とても熱心な開業医の先生方ばかりだったのが印象的です。
薬剤は病院専門医が処方を開始し、開業医の先生が勝手に変えにくいという側面があります。また、防衛医療の話も話題に上がりました。そのためNOAC処方にPPIはルーチン併用するというご意見です。私が考えていた以上に薬剤有害反応は闇が深いのかも知れません。適切で良心的な医療が訴えられる世の中ではまっとうな医療を提供するのは困難となってしまいます。
私は総合診療の専門性の一つに総合管理力を挙げています。各科の薬剤をエビデンスに基づきながら総合的に評価し取捨選択をすることは、その総合管理力の重要な柱の一つです。丸太町病院では薬剤部と経営管理課の全面的な協力を得ながら、処方の再構築に力を入れています。
病院だからできる事(迅速な検査等)、入院中だからこそ出来る事(密な観察、家族や多職種を交えたカンファ)を駆使しながら、開業医の先生と連携を取りながら、個々の患者さんに最も適切な処方を再構築することを今後より一層進めていきたいと思います。