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ONRC 5thに当科スタッフ・後期研修医が参戦しました。

皆様。医員の長野です。

12/23-4にONRC 5th(正式名称:桶狭間'n'Rollはいつだって大歓迎だカンファレンス)が開かれ、当院からは私と後期研修医 白神が参加しました。

ONRCは東西を代表する総合内科系勉強会の東:東京GIMカンファレンス軍と西:DHC(Diagnostic high level conference)軍が1年に1回戦うお祭り的イベントです。今回が第5回になりますが、これまでは東軍3勝 西軍1勝となっています。

今年は大阪の阪南市民病院で開かれましたが、病院スタッフの圧倒的なホスピタリティーに感動しておりました。本当に働きやすそうな病院との印象を受けました。

懇親会の様子です(参加費無料!)

今回の対決は全6問のケースカンファレンスでしたが、60対30で東軍の勝利でした。私も力不足を実感し、来年に向けて研鑽を積む努力をより一層強めました。

印象に残っているケースについて幾つかまとめたいと思います。

1つ目はGood症候群についてです。

Good症候群は胸腺腫に関連しB細胞系(免疫グロブリン低下、B細胞分画の減少)・T細胞系免疫不全を起こす疾患です。B/T細胞系両方が関わるため、細菌・ウイルス・真菌と多種多様な感染を起こします(Medicine (Baltimore). 2001 Mar;80(2):123-33.)。

カンファレンスの症例もサイトメガロウイルス腸炎、Helocobacter cinaedi菌血症、腸管スピロヘータ、爪白癬など多種多様な感染症に罹患しており、同時に赤芽球癆、扁平苔癬も合併していました。

胸腺腫は重症筋無力症、Issacs症候群、Morvan症候群、LEMS、脳炎、筋炎と多数の腫瘍関連疾患を合併する(J Thorac Oncol. 2014 Sep;9(9 Suppl 2):S143-7)ので注意ですね。

2つ目はErdheim-Chestar病についてです。

これはnon-LCHの組織球症の代表ですが、多数の臓器障害を引き起こし、とくに長骨や後腹膜への組織球の浸潤を特徴とします。ケースは骨痛、眼球突出、心嚢水貯留、両側水腎症、大動脈周囲軟部影などを呈していた症例でした。去年のNEJM clinical problem solving(N Engl J Med 2016;374:470-7.)にあったのでしっかりケースを勉強する大切さと実感しました。國松先生の「ニッチなディジーズ」にも載ってて読んだのにと反省。

他にも5q-MDSでthrombocytosisが起こることが有る(Leukemia (2004) 18, 113–119)、radiation後では膀胱破裂に気をつける(Gynecologic Oncology 80, 21–23 (2001))、膀胱破裂ではCrが再吸収されるため腎障害に見える(Radiol Case Rep. 2017 Jun; 12(2): 304–307.)、若年女性の不明熱では高安病を考える、骨サルコイドーシスではレース状の骨梁や嚢胞状の溶骨変化を示すなど勉強になるポイントが満載でした。

また来年に向けて頑張ろうと思います。

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