在宅新療2019年1月号の連載です。
• 高カロリー、高蛋白食、夜食(LES)を薦める
2012年の無作為化試験では、難治性の腹水を有する肝硬変患者に対して、摂取カロリーを30-35kacl/kg/日、摂取蛋白質を1.2-1.3g/kg/日とする栄養指導を行うことで、死亡率や各種合併症が減ることが示されています
アミノレバンEN配合散®は肝硬変患者に有利な分枝アミノ酸(BCAA)を多く含有していながら脂質や糖質も含んでおり、1包213kcalであることからLESとしてよく用いられます。一方、BCAA単独製剤の容量は少なく飲みやすいですが1包あたり4g程度のアミノ酸含有量であり、16kcalしかないことからLESとしては用いられません。アミノレバンはおにぎりなどより栄養状態を改善させるLESであるという報告がありますが、これは蛋白摂取量の違いともとらえられます(食事で蛋白をしっかりとれればLESは何でもよいかも知れない)。
• 塩分制限は食欲低下を来さない範囲で行う
塩分制限により摂取カロリーが低下することが報告されています( Group Aは「塩分4.7g/日群」Bは「塩分12g/日群」 )。
• 体内水分量評価には体重だけではなく腹囲測定が有用である • 肝性脳症の誘因(鎮静剤、アルコール摂取、脱水、便秘、低カリウム血症)を避ける • 肝性脳症の既往があればラクツロースで排便を1日2-3回程度にコントロールする
アミノレバン3包ならばラクツロースの10倍の値段。1包だけとしても3倍の値段。リファキシミンも高い。BACCとラクツロース、リファキシミンの効果は同等ですから、ラクツロースにより下痢が耐えられない場合以外にはほかの製剤を使う意義はよくよく考えた方がよいでしょう。
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