10年ほど前からお世話になっていた「スキルアップ」の運営会社が「株式会社スキルアップ」から「ケアミックス株式会社」に変更となり、名称も「日本メディカルスキルアップ」になったそうです。ちょっと寂しい思いもしますが、今後も継続するということで安堵もしました。
新春記念セミナーという枠でご紹介頂きましたので、前半は鉄板の「高齢者の身体診察」を話しました。
後半は「どれだけ知ってる? 尿試験紙法の意外な活用方法」でした。
合わせて4時間のセミナーで、久々のスーツということで緊張しましたが、順調に終わりホッとしました。
ご質問をいくつか頂きました。
抗菌薬の使用については複数人からご質問頂きました。
また、大腿骨頸部骨折が打診で分かることについては、ほかの部位ではどうかと質問がありました。確か私の記憶では胸骨に聴診器を当てて上腕骨を叩くことで鎖骨などの骨折が分かるというのが、大腿骨近位部骨折よりも先に報告されています。打診で音伝導が低下するというのは他の部位でも応用できる診察と思われます。ただ、左右差が分かりやすいという理由から有用性が高いのは大腿骨近位部と鎖骨(など)に限られるでしょう。その他の部位では介達痛や長軸方向への叩打での疼痛誘発のほうが有用かも知れません。
関節液に対する尿試験紙の応用についてもご質問をいくつか頂きました。まず偽痛風ですが、偽痛風に限った報告がないため、あくまで推測ですが偽痛風では非常に白血球数が高値となることもよくあります。それこそ5万を超えたり、時には10万越えも経験します。そのため、化膿性関節炎でなくても白血球エステラーゼ反応は強陽性となることもあると思います。ただ、糖低値は白血球に消費を無視すれば、細菌の存在を示唆しますので、偽痛風発作ならば糖は陽性であることが多いのではないかと思います。症例数を増やして検討する必要がありますので、どなたかデータがあれば教えてください。
なお、私が尿試験紙を適応外使用する場合には、検査室で検査を行っていません。あくまで正確な判定ではなく、ベッドサイドで迅速に「推測」するためのツールだからです。そのため、保険請求もしていません。
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