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京都府医師会:総合診療力向上講座 ショック患者の身体診察

今年も京都府医師会の講演会に及び頂きました。

時間配分的に考えて、今年はこのショック患者の身体診察のテーマが多くなっていますが、毎回すこしづつブラッシュアップしています。

COVID対策のため、オンラインで収録。病院か自宅から配信かと思いましたが、ちゃんとスタジオが用意されていて、快適な収録環境でした。

今回はなんと300人超の受講者でした。半数近くは府外からのご参加でした。ありがとうございました。いやー、オンラインってすごいですね。


 

ショック対応で開業医が最低限準備しておくべき薬剤は?という事前質問を頂きました。カテコラミンの中でも一つ選ぶなると難しく、いろいろ欲しくなります。

20年前ならDOAだったかも知れませんが、DOAはNAと比べて(特に心原性ショックには)予後不良というデータが出てからは、一般的にはNAが最も多く使用されていると思います。

でも、今回はあえて一つならアドレナリン(Ad)を押してみました。

敗血症においてNA+DOBと比較してAd単剤は遜色ないデータだしています。Adは乳酸アシドーシス多いというのは比較的一環したデータですし、心房細動を惹起するかも知れませんが、短期間使うだけなら汎用性が高いほうがよいかと。だって診療所でアナフィラキシー対応できないとなると、これは最大の問題と思うんです。ちなみに私は臆病者なので初期研修の2年間は胸ポケットにアドレナリン持ち歩いていて、造影当番で急変が起こってもすぐ対応できるようにしていました。

Adで問題なのは汎用性高い分、使い方を間違えてはいけないということです。Adでは使用量の間違いよりも投与系路の間違いのほうが重大です。4つの状態に対して4つの投与系路があると覚えておくとよいです。

また、アナフィラキシーで筋注するときは大腿部が鉄則です。上腕に打っても血中濃度はほとんど上がらなかったというデータがありますから注意しましょう。

思いっきり、主題とは外れた部分だけを紹介しましたが、講演の大部分はちゃんと身体診察の話をしました。念のため。


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