12月19日にWEB講演行いました。
まずは顔面神経麻痺。
これは三叉神経ではありません。この顔面神経の走行をみるだけでいろいろなことが分かってくるので、今回はとにかく見てわかるように解剖学の図をたくさんつけて解説しました。
ベル麻痺は脳卒中、中耳炎/乳突蜂巣炎、Rmasey Hunt症候群との鑑別が重要です。
中枢性との鑑別に額のしわ寄せの左右差が重要なのは当然ですが、ここでは中枢には情動と随意の二つの運動系路があり、中枢性麻痺ではどちらかだけが麻痺することがあることを強調させていただきました。
間違えやすいのはベル麻痺でも軽い疼痛が耳介に生じうること。これは中間神経の存在で説明が可能です。Ramsey Huntも同じ理由で耳介、外耳道後部の皮疹を探すのが重要です。ついでに聴神経腫瘍のHitselberger's signも中間神経の存在をしっておけば理解できますね。
Ramsey Huntの3人に1人が顔面神経麻痺発症時に皮疹が出ていませんので、皮疹が無くても疼痛が強い場合や前庭蝸牛症状があればベル麻痺とみなさないことが大切です。
正中神経障害は円回内筋症候群、前骨間神経症候群、手根管症候群の3つが大切です。手根管症候群はコモンなのでここでは説明を省きます。”骨間”神経は深い場所にありますから、運動神経です。
長母指屈筋や示指深指屈筋を支配し、母指・示指の指先を曲げます。この神経が障害されると、OKサインができずに、Tear dropサインになってしまいます。
円回内筋症候群は対照的に感覚障害メインとなります。手根管症候群よりも近位で障害されるため、母指球にまで感覚障害が認められることが特徴です。
というような話を、尺骨神経、橈骨神経、外側大腿皮神経、閉鎖神経、腓骨神経、脛骨神経と順にすべて解剖を念頭に診察方法について説明しました。これらについては割愛しますが、いずれ機会をみてまたご紹介したいと思います(院内ではスライド・解説動画公開してます)。
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