京都医療センターの勉強会~ 地域で診る腸疾患 ~にて話をさせて頂きました。
急性下痢症mimic
・消化管出血 → 便の色は見ていないのか、黒くないことを確認できているのかを明確に
・アナフィラキシー・TSS・甲状腺クリーゼ・副腎不全 → バイタルサインが大切
急性下痢症パターン認識
・無熱性嘔吐 → 生体外毒素 6時間以内の食餌歴
・小腸型 → 12-48時間の海産物接種歴、流行歴(夏か冬か)
・大腸型 → 鶏肉・生卵。48時間以内のサルモネラ、72時間以上のカンピロバクタ―
・無熱性血便 → 腸管出血性大腸菌
ご質問頂きましたグラム染色の有用性について。
カンピロバクターの写真載せておきます。カモメのようなやつがカンピロバクターです。
講演2は大阪鉄道病院 清水誠治先生「腸間感染症とIBDの鑑別ー内視鏡を中心に」でした。
UCで「原則として病変は直腸から連続して認める」「複数回これらの所見を認めること」は2017の診断基準で追記されたことらしい。なんでもかんでもUCとなってしまわないように。
最初は白いポツポツ(陰窩)がある感じが、その後糜燗になって色素で染色される部分が増えていく。
「びまん性」という用語はそれ以上に分類できる語彙がないだけで、かなり多様な所見を示している。
回盲部病変、Rectal spare、治癒経過でSkip lesionなどもある。
CDIは鑑別すべき疾患に加わった。一方、結核は内視鏡医からみたらまず間違えない。
CDは縦走潰瘍と敷石像が特異性高い(CDは明確な基準だが、UCは明確な基準としずらい違いがある)。縦走潰瘍は4-5㎝は視野すべてというのが目安。現在では敷石像は炎症性ポリポーシスに対しても使う用語となっていることに注意。
サルモネラはrectal sparingするが赤痢は直腸から炎症あり。赤痢は偽膜多いようだ。
RAで免疫抑制+セフェム抗菌薬投与後の数日経過の下血。
直腸から連続性のびまん性の炎症 回盲部の陰窩膿瘍とUCに矛盾しない所見。
→ カンピロバクター腸炎だった。
免疫抑制者(HIV)などで2か月以上持続性下痢だった症例もあるが、1週間こえると大腸病変は乏しくなる。回盲部潰瘍は半数程度に認めた。
カンピロバクタ―は白に赤点、UCは赤に白点という内視鏡所見の違いがあるが、細菌検査を行うことと検査のタイミングを意識する事。
下血している→前処置せずに内視鏡検査すれば生検でアメーバ検出できること多い。
びまん性となっていても小型が集簇していて、見た目は違う。直腸多いが盲腸もほぼ必発。タコいぼ病変。
CDと診断され10年間経過してたが最終的に腸管アメーバとわかりMNZで治癒・・・・。生検で出ないということでアメーバを否定してはならない!
抗体検査できなくなったので、内視鏡所見みて生検したら治療しちゃう。
CDIはびまん性発赤でも少数のびらん・潰瘍でも考えるべし。軽症例で前処置していると偽膜ないのが多い。
70歳 低蛋白血症 貧血 回腸末端多発潰瘍
PCR- 肉芽腫ーだが、TBに対する治療的診断が有用だった。
50歳 回盲部びらんあるが無症状 PCR- T-SPOT- 肉芽腫+ 7カ月経過観察し不変だが、TBだった。T-SPOTは感度81%、特異度85%のみ。
クラミジア直腸炎もUCと間違えやすいことある(典型的な下部直腸に限局したイクラ状粘膜があるとは限らない)
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