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  • 執筆者の写真Y

堺臨床道場で講演しました

昨年度延期になってしまった講演会でしたが、2021/6/26にzoomで講演しました。

テーマは「めまい」です。


当日の直前アンケートでは急性前庭症候群に用いるHINTSは知っている聴講者が多かったのでこれを扱うのはやめました。私がこの診察を行うようになったのは2008年ぐらいだと思いますが、当時はこの診察をしても周囲の医師から信じてもらえることが少なかった苦難の時代で一人で細々診察していたことを思い出します。今やMRI陰性というよりも身体診察でHINTS陰性のほうが信頼性が高いことは、多くの人が認めるところとなり、書籍でも当たり前のように扱うようになっていることを考えると、めまいの診療はこの10年で大きく進歩しています。


ということで今回はBPPVだけを取り扱いました。Epley法はほとんどの人が知っていましたが、実践はしていないという人が多かったようでしたので、Epley法の失敗の原因とコツについて解説しました。要は頭部懸垂位の重要性を解説しただけですが。

B-D法やSemont法よりもEpley法を私が薦める理由も、模型を使った説明で納得して頂けたようです。


耳石置換法実演は非常に久しぶりでした。初めてのオンライン講演ということもあり、予演を行い、半規管の模型がみえるか試しましたが、かなり見にくい。白色のマネキンではどちらに顔を向けているかが分かりにくい事に初めて気づきました。そこでマネキンの鼻の頭を赤く塗り、さらに眼鏡をかけさせました。これは良い。非常に見やすい(写真とっておけばよかったですね)。次回からはオンラインじゃなくてもこの方法にしたいと思います。


外側半規管型に関しては向地性の説明で時間切れとなり、背地性眼振(クプラ結石型)については軽く触れるにとどまりました。できれば模型をみながら、一通り実践すると理解できると思いますが、2時間はかかりそうですし、眠くなる人も続出するのでまぁ今回のラインナップが順当ではなかったかと思います。


講演でも言いましたが、めまいは本人にとっては非常につらく、このめまいから直ぐに開放してあげることができれば、文字通りその人の人生が変わることだってあります。初期研修医でも後半規管型に対するEpley法は必須な手技と思いますし、救急医や総合診療医ならば外側半規管型の磁石置換法もできるのが当たり前となってほしいと思っています。当院では研修医を含め一通り耳石置換法を行うことができるように指導していますが、それはBPPVの確定診断は耳石置換法が著効して初めて行うべきだからです。耳石置換法を試さずにcentral PPVを完全に除外することは、(特に背地性眼振を呈する場合)難しいように思います。外側半規管型に対する耳石置換法であるGufoni法も一度習得してしまえば、Epley法と同様にだれにでもできる簡単な手技ですので、より広まったくれることを願っています。


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