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日本老年医学会で講演しました


シンポジウム6 「高齢者救急の現状と今後」


今回はCOVIDの事もありなかなか混沌としており反省を込めて報告。

6か月前にご依頼いただき準備期間がありましたので、4か月前にスライド完成しました。

そして3か月を切ったところで抄録提出。今回は救急本部や弁護士、他の業者にも聞き込みをして臨みました。

そして2か月を切ったところで、まさかの題目変更依頼。え?「噓でしょ」と医局で大声で言ってしまいました。問い合わせてみると私の勘違いではなく、詳細のテーマが決まってなかったものが、今回新たに決めたのでそれに沿って発表して欲しいとのこと。COVIDの19となどが組み込まれており、現状に即したテーマ配分にしたようです。

すでに元々の提出期限は過ぎていたのでそれを延長してくれてはいますが、急いでスライド作成して抄録提出。とりあえず当日まではこれでOKかと思ったら今度は動画データをアップして欲しいと。また作成していたスライド型式(16:9)ではなく4:3にして欲しいと。そういえば指定がなかったからクセで16:9で作ってしまったと思いながら修正して動画録画。

これで終わりかと思っていたら当日WEB参加も必要と判明。というかシンポジウムだから当然なんですが、動画撮影したから終わったと思い込んでしまっていた。別のWEB会議と時間がずれて助かりましたがダブルブッキングのニアミスでした。最近の学会は動画でデータ送っておくのに加えて、その場で発表してもよいという型式になっていることがあるそうですが、私は初めてなので驚きました。

今回はせっかく録画したならとリアルタイムで話さず、録画を流してもらうことにしましたが、反省点2つ。


問題点1.ノートPCでは気づいていませんでしたが、デスクトップPCで当日録画を見ると、他の方のリアルタイム配信と比べ画質粗い、そして音質が悪い。確かにアップロードの容量制限のため画質を落として保存をした気がします。これは今後注意しなければ。できればリアルタイム配信したほうがアドリブも効いてよい(ただし、時間制限がしっかりしている講演は事前録画が安心してしまう)。相手がいない独り言のように私が話しており、パフォーマンス悪かったと素直に反省。


問題点2.シンポジウムの全体のテーマを忘れる。

うーん。まぁ色々ありましたし、「高齢者の呼吸困難」という私のテーマだけを考えてCOPDの診察などに焦点を当てて話しましたが、「高齢者救急の現状と今後」という全体のテーマのことはスライドを作り直した時に全て忘れていました。当日の打合せで気づきました。質疑応答で時間があれば、

  1. 心不全はTAVIやmital CLIPなど進歩があるものの終末期という症例は多い。COPDや心不全といった原因を問わず、呼吸不全を呈する高齢者の終末期医療へのサポートを開業医と病院が連携して行っていくという話

  2. COPDと喘息のオーバーラップ(ACO)はよく言われるが、高齢者ではCOPDが基礎疾患にある誤嚥からの急性増悪が多い。肺炎を年に3回繰り返したりむせては喘鳴が出現する患者をACOとしてICSを導入すれば、むしろ予後を増悪させるたため、この病態への理解を広める必要がある。

  3. 臓器別の縦割りについては問題点が以前より指摘され、老年医学や総合診療の領域ではその点は克服しているが、急性期と慢性期という時間軸での分断は老年医学だけでは十分対応できていないかも知れない。例えば急性期病院で心不全を治療しても、守れるはずのない減塩食を入院中は摂取させ、その状態で投薬調整後に帰宅させても、すぐ再燃するのは眼に見えている。それを患者のアドヒアランス不足や慢性期治療に携わる医師の能力不足のせいにするのはお門違いであり、我々救急に携わるものは慢性期管理にも精通していなければならないし、その逆もまたしかり。

の3点について語ろうかと思いますが、うまく話をつなげませんでした。

最後は長谷川 浩先生にうまくまとめて頂き、助けられました。(もちろんかつて私の上司であった岩田先生も座長をお勤めいただき有難うございました)。



教育講演21 「高齢者エビデンスのトレンド」


私にしては珍しい内容かも知れません。PubMedで高齢者のエビデンスの何がトレンドなのかを調べてました。

・診断よりも治療に関する関心が高まっているようです。

・血圧は測定しやすい指標であり、高齢者において高血圧の治療目標はエビデンスが蓄積し、ガイドラインへ反映までされている。

・一方、高齢者において糖尿病の治療目標は低血糖や高血糖緊急症を起こさせないことであり、少なくてもHbA1cは間接的な指標にすぎず、特定のHbA1c目標を定めるエビデンスはない。今後ビッグデータの解析をすれば個々の高齢者で適切なHbA1c目標値を出せるかも知れないが、医師の総合評価に勝る事は今後10年では考え難い(持論)

・フレイルの概念は実は昔からあるが、医師の主観をエビデンスに昇華させたもの。

・今後は予防に関心が高まっていく傾向が読み取れる。

・ウェアラブル機器を医学領域でもっと活用したい(開発者の”出来る事”と臨床医の”できて欲しい事”のすり合わせが不十分であると思う)。

・与えられたビッグデータを解析するのではなく、必要な情報を医療従事者が手間をかけずに収集する方法のほうが時として信頼性が高く注目されるべき(例、未知の薬物副作用の検出、パーキンソン病スクリーニング)。


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