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磨け! 問診力 ~診断に迫る“+α”のテクニック

『medicina』&『総合診療』コラボ企画で、磨け! 問診力 ~診断に迫る“+α”のテクニックというセミナーを行いました。


平たく言えば書籍の宣伝なのですが、私が関与したのは雑誌:総合診療の特集「この診断で決まり! High Yieldな症候たち——見逃すな! キラリと光るその病歴&所見」です。2021年6月号ですから、半年以上前のものですが、今見直しても良い記事が多いと思いました。執筆してくれた先生方、有難うございます。今回はそこから3症例紹介しましたが、ここでは書籍に関連しない話を少しだけさせてもらいます。


 

紹介患者の診断が、紹介元と紹介先で異なった場合、新たな診断はなにでなされるのでしょうか? 問診でしょうか? 身体診察でしょうか? 検査でしょうか?

この問いに答える論文は、私の知る限り、過去3つ報告されています。それらによると時代を問わず、問診による診断が大半であることが分かります。この後の対談でも話題になりましたが、軽症外来患者であればより多数が問診で診断ついているようにも思われます。やっぱり問診、大事ですね。

昨年の私の紹介患者さん(紹介理由が診断であるもの)でも調べてみましたが、問診で診断がついているのが89%で、追加検査で診断したのは3%のみでした。紹介状に検査結果もつけて頂いていることが多いので、真の”問診だけ”という訳ではありませんが、丁寧な問診こそが診断に結び付くことが多いことに異論はないと思います。


 

対談では様々な話題が取り上げられました。すべては覚えていませんし、半年後ぐらいに総合診療に掲載されるそうなので、ここでは細かく述べませんが、どうすれば上手な問診ができるのか、というのはとっても大事なテーマだと思いました。


いくつか例をあげて話をしましたが、ちょうど最近DKAの方がいてその話を後輩にしたばかりだったので、ふと思いついて多尿の話を紹介しました。多飲・多尿は意外に自覚していないことがあります。ジュ―ス2L飲むのは「いつも通り」であるという訳です。そのような場合、夜の様子を聞くのがコツです。若い人で夜間尿2回あれば絶対におかしいと思います。まだ夜に起きて水分補給することも指標となります。このようなコツは経験を積むうちに身についていきますが、問診を大事にするところで研修をしないと若い時に身に着けるのは難しいかも知れません。


問診はとても奥深く楽しいものです。しかし、その奥深さを一緒に追及してくれる人がいないと、独学ではなかなか極めるのは難しい部分があります。しっかりとした問診技術を身に着けたいという研修医の先生には是非、問診にこだわって診療している丸太町病院のような病院を一度はみて欲しいと思います。きっと得るものが大きいはずです。問診の重要性と面白さが少しでも伝わったことを願いつつ、会を終了いたしました。

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