参加したと言っても若手奨励賞(初期2)の座長ですが、私が座長をさせて頂いた症例のダイジェスト±メモです。
(ラフな格好でWEBつないだら子供に窘められ、ネクタイを締めて望む私・・・。)
胸部CTでhigh attenuation mucus(HAM)を認めたことが契機となりアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の診断に至った1例
・喘息のないABPMだが、HAMが診断の契機になった。同様に喘息がないが、喀痰から好酸球増多やシャルコーライデン結晶が見つかることが診断契機という症例は聞いたことがありましたが、HAMのある症例でも結晶は見えなかったらしい。
尿閉を契機としたウレアーゼ産生菌による高アンモニア血症の1例
・有名なClostridium ureolyticusではなく、稀なCampylobacter ureolyticusによる症例でした。名前が似ているので菌名を見直してしまった。偏性嫌気性菌ですが、尿閉によるもので全身性感染症を呈していないと判断し抗菌薬を投与してなかったので嫌気培養を追加できた。嫌気性菌の尿路感染は時に経験するけど、なかなか抗菌薬投与前に嫌気培養は思いつけないですよね・・・。
偽腫瘍性腫瘤を呈したIgG4関連硬膜炎の1例
・頭蓋内に腫瘤を呈するのは文献的にも5-6例しかないそうです。画像的にはRosai–Dorfman病のようにも見えました。組織でIgG4陽性でもRosai–Dorfman病のことがあるので注意したいですね。病理とDiscussionしたい症例。
横断性脊髄障害で発症し,正常な脊髄MRI画像を呈した血管内リンパ腫の1例
・多発脳梗塞様病変、高LDH血症からランダム皮膚生検で診断。造影MRIでも正常だったが、臨床的に脊髄病変を診断できた症例。病理解剖では立派な脊髄梗塞あり。臨床所見が画像所見に勝った一例。
セフメタゾール(CMZ)による脳症、汎血球減少が疑われた1例
・セフメタゾールは海外ではあまり使われていないためか過去に報告が乏しいようでしたが、腎排泄薬剤なので髄液移行悪くても高齢者で腎障害あれば脳症を来す。βラクタム製剤はGABA 受容体結合を阻害することで、痙攣を伴いやすい脳症を来しますが、頻脈を伴いやすいということはあまり意識してなかった。てんかん発作だった可能性はどうだったのか?
どれも示唆に富んだ症例でした。1例7分って短いですよね。いろいろ聞きたくなってしまいます。
同じく座長を務めた明石先生は、総合診療を立ち上げるためにかつて丸太町病院へ見学に来られた先生だった。What a Small World。
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