2021/04/24-25に適々斎塾で開催されたWebinarに参加しました。
興味深い症例がいくつかありましたが、それらは院内で共有させていただきますのでここでは秘密にしておきます。
私は「困っちゃう病」と「落ち着けるはずが・・・」の2症例を提示しました。
後者はレポートにもして頂いたので、興味ある方は適々斎塾のホームページを参照ください。
前者はIM症状の鑑別についてです。
上図では「皮疹あり」がIM部分症として独立していますが、真のIMもここに含まれるので、誤解を招く図だったかも知れません。「皮疹がある場合に追加で考えるべき疾患群」というニュアンスで捉えて頂ければ幸いです。
今回はIMと思ったけど、EBV,CMVが血清学的に陰性。この場合、通常ならばHIVを考えますが、それが陰性。HHV-6も考えられるが稀だし保険適応の検査なし。皮疹があったので梅毒、風疹(特に1962-1979生まれの男性)、AOSDも鑑別に入れつつ、系統的に考えたら実は、追加検査はシンプルになるという論理展開を解説しました。
結論だけ言えば、window periodに気をつけろということです。HIV抗原抗体検査は急性HIV感染症発症後ならばかなり感度高いですが、100%ではありません。同様にIgM抗体も2週間ぐらいは陰性のことがあります。今回はCMV-IgM/IgGが発症早期で偽陰性の症例でした。臨床的にEBV/CMVの可能性が高いので再検査し、確定診断に至りました。パネリストからはちゃんと「CMV未感染パターンなので、今回初感染の可能性がある」と完璧なコメントを頂きましたが、様々な質問が飛び交い、有意義な議論ができたと思います。
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