今年も国試をぶっとばせで講演させて頂きました。
私のお題は肝機能異常と意識障害でした。
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”肝障害”とよく言われますが、3つに分けて考えます。
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肝逸脱酵素の半減期
CPKは筋肉、ALTは肝臓に特異性高いです。LDHはすべての臓器に分布しますが、アイソザイムが違います。
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そして半減期も異なります。
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この事を知っていると、
•急性肝炎の初期はAST>ALTの傾向があるが、回復期にはAST<ALTとなるのはなぜか?
•肝炎の回復過程を早期に判断するにはどの酵素を用いるのが良いか?
•心筋梗塞と横紋筋融解症、CPKとLDHの回復の仕方はどのように違う?
•溶血性貧血ではLDH>1,000となりえるが、試験管内溶血ではそこまでならないのはなぜか?
といった問いに答えられるようになります。
LDH単独上昇
•血液
•腫瘍
•腎臓
•肺
•皮膚
といったところを考えます。腎梗塞ではLDH上昇は結構参考になります。
ASTやALT>1,000なら
1.ウイルス性肝炎
2.薬剤性肝障害
3.虚血性肝炎
です。AIH急性増悪とかもありますが、まずは上記三つを考えましょう。さらにウイルス性肝炎はALT優位、虚血性肝炎はLDH優位が特徴です。
と言う感じで学生ターゲットとしては、結構マニアックな事も話していますね。でも臨床では役立つ内容だったと思っています。
長くなってきたので慢性肝障害の覚え方だけ最後に紹介します。ABCDEFGHIJと覚えますが、特にBCDEFは多く、Gは見落としてはダメで、Aは時にあるよね、という感じです。(Jは別カテゴリーと考えた方がよいかも知れない)
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