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非典型だがコモンな片頭痛

最近はブログの更新が遅れています。今回は9月2日の講演ということで1か月前の内容ですが、遅ればせながら内容を掲載させていただきます。

地域の開業医の先生方に片頭痛の亜系について話をさせて頂きました。


色々話しましたが、その中から一部抜粋して掲載します。


片頭痛の予兆と後発症状

片頭痛はストレスが誘因となりうるため、心因性と誤解されることがあります。

前兆は有名ですが、予兆や後発症状も大変多いです。ところが注目があまりされていないように思います。

頭痛発作前に数時間から数日続く予兆は、疲労感,集中困難,頸部のこり,光または音(あるいはその両方) に対する過敏性,悪心,霧視,あくび,顔面蒼白 などを来します。いろいろありますが、覚えるとすれば、倦怠感、抑うつ、消化管症状の3つです。これは非特異的なので、心因性とさらに誤解を受けますし、患者さん自身も誤解していることが多々あります。

頭痛回復後に引き続いて最長48時間続く後発症状は、倦怠感, 疲労感,集中困難,頸部のこりが一般的です。予兆、頭痛、後発症状が続くと、一見、慢性的な倦怠感・抑欝症状となることがあります。しかし、これは治療できる病態ですので、片頭痛があるとわかれば片頭痛の予防投薬の適応となります。実際には精神疾患とのオーバーラップも多く、一筋縄ではいかないことも多いですが、少なくても見過ごすことはないようにしたいものです。


典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの

Framingham 研究からの報告もあるように古くから知られてはいます。一般人口の1.23%で片頭痛の視覚症状のみを訴え、脳血管障害の発症率は一般群と変わらない(11.5% vs 14.4%)とされます。つまり、TIAとは全く異なります。片頭痛歴、単眼ではなく両眼の症状であること、キラキラするなど陽性症状であることなどが診断には重要です。典型的片頭痛よりも中高年に多いため、この疾患を知らないとTIAと誤診しうります。


あとは慢性片頭痛のピットフォール、付録にしか入れてもらえないのが不思議(つまりとても重要)な前庭性片頭痛の話をしましたが、それは別の機会に・・・。

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