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Hannington-Kiff sign

股関節の内転も屈曲もL2-4が支配しています。しかし末梢での支配神経は異なることが重要という徴候の紹介です。


股関節の屈曲は大腿四頭筋、内転は大内転筋(他に恥骨筋、薄筋、長内転筋、短内転筋)が関与しています。支配神経は恥骨筋は大腿神経も関与しているという例外があるものの、屈曲に関わるのは大腿神経、内転は閉鎖神経です。


L2-4 -大腿神経 ー大腿四頭筋       ー股関節屈曲

L2-4 -閉鎖神経 ー内転筋群(主に大内転筋)ー股関節内転


という感じです。この違いが診断に役立つのは閉鎖孔ヘルニアです。

ご存知の通り、高齢者に多く認知症のため病歴がとりづらく、指示も入らないこともしばしば。有名な閉鎖神経領域の疼痛を誘発するHowship-Romberg徴候もコミュニケーションがとれなければ評価も難しい。


ということで今回紹介するHannington-Kiff signの出番です。

膝蓋腱反射を導出するにも関わらず、大腿内転筋の腱反射が導出できない⇒閉鎖神経の障害⇒閉鎖孔ヘルニアを示唆します。


診断特性は分かっていませんが、わずか半頁の論文であってもMajor誌に載るのはさすがの洞察と思います。

Lancet. 1980 Jan 26;1(8161):180.



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