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ステロイドを使ったらMMP-3は高値、TNF阻害薬を使ったらKL-6は高値となる

膠原病診療における、治療薬による修飾による2つの検査異常について。


ステロイド使用者ではMMP-3が高くなってしまう

ステロイドを使う患者では、たとえ滑膜炎がない疾患でもMMP3が高値となることがある。

どうやら、ステロイドの使用量とMMP-3は関連性がありそうです。

Ann Rheum Dis . 2002 Feb;61(2):161-6.


CRPが陰性となったり、寛解状態となっていても、ステロイド使用中はMMP-3の正常化率は20-30%に過ぎません。あとは腎障害がある場合もMMP-3は高値となります。

Mod Rheumatol . 2018 Mar;28(2):242-248.


機序はよくわかっていないようです。


TNF阻害薬をつかうと、KL-6が高値になることがある

KL-6が基準値上限の1.5倍以上になるのは、TNF阻害薬使用者の44%、IL-17阻害薬使用者の19%、IL-23阻害薬使用者の22%でした。500U/L以上となる有意な変化はそれぞれ、21%、6.3%、5.6%で認められました。

J Nippon Med Sch . 2023;90(2):194-201.


TNF阻害薬でKL-6が高値になる機序としては、TNF-αを切断するTNF-α変換酵素(TACE)(別名:ADAM17)が誘導されることで、KL-6が切り離され高値となる事が推定されているようです。つまり、見かけ上高値となるだけで間質性肺炎が起きていなくても検査上高値となることがありうるという事です。

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