久々にPubMedに論文が掲載されました。
BMJ Case Rep. 2019 Nov 2;12(11). pii: e231919.
そこから関係あるようなないような話です。
イソニアジド(INH)から抗うつ薬は生まれた
1952年にイソニアジドやイプロニアジドを投与された結核患者の中に、『気分の高揚感・爽快感・多幸感』を訴える人がでて、その後のイプロニアジドの臨床試験でうつ病の改善効果が認められた。 1956年にはイプロニアジドが精神賦活剤としてうつ病治療に有効性が証明されています。なんとなくINH psychosisが生じるのも理解できますね。
MAO阻害作用が薬理作用。化学式をみるとINHとMAO阻害薬はちょっと似ています。
【イプロニアジド】
【イソニアジド】
【セレギリン(MAO阻害薬)】
ちなみにMAO阻害されるとヒスタミンが分解されないために、ヒスタミン中毒を起こすことがあります(ヒスタミン不耐症)。潜在性結核感染症に対する治療が総合診療科でも広く行われるようになってきていますので、INHによるヒスタミン不耐症も併せて覚えておくとよいと思いました。
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