電子聴診器のようなものですが、音質が良いことと、開発会社の特色としてクラウドサーバー管理に優れることとが特徴です。
使ってみて思った事。聴診器の音声を複数人で聴けるため、教育回診に使おうと思っていましたが、専用受信機が結構大きい。聴診器本体もちょっと大きい。回診の人数分を一人のポケットにまとめて持っていくことは難しい。通信距離は3メートルなのでこれは病室のどこに居ても聞ける。
音声を劣化なく送受信するために音声データを圧縮しないFM電波を用いているそうです。Bluetoothはcodecによるのかも知れませんが、聴診の音にもなると音声圧縮による変化が問題となるそうです。Bluetoothは1:1接続ですが、FM電波なら多数の受信機にデータが送れることも大切なポイントです。ただBluetoothじゃないということは個人のスマホにそのまま飛ばせないということになるので、どうしても専用受信機が必要となります。
確かに音質はとても素晴らしい。今まで電子聴診器を5-6種類試しましたが、その中で音質は一番良いと思います。Ekoの製品は外部の音(つまり雑音)がとても聴こえやすかったのですが、これは外部の雑音をノイズキャンセリングしているんじゃないと思うようにクリアに聞こえます。ざわざわとうるさい回診中には重宝しそう。ただ皮膚と聴診器が擦れる音は大きく増幅されるので、しっかりと密着させることは大事です。
診察録音アプリも記録がしやすい作り。日本製って大手メーカーじゃなくてもこういうところが行き届いていますね。
今まではEko Duoが、録音した音のクラウド管理という点と、スタンドに置くだけで充電という2点で最も優れているという個人的な評価でしたが、毎回スマホでログインしなければならないなど、イマイチな点も多かったです。
今回の製品はソフトウェアも使い勝手が分かりやすく、また現在はアンドロイドしか対応していないということで試せませんでしたが、聴診音分析アプリがあるとのことで新たな選択肢が増えた感じです。これは普段使いというよりは、より教育・研究に向いているという印象ですね。
当院では毎週、診察のエクスパートである酒見先生に教育回診をお願いしています。酒見先生が聞いた音を同時に皆がシェアできたら、皆もっと身体診察が上達するのではないかと思っています。個人で購入するのはちょっと値段が張るので、来年度の研修教育費からの予算捻出はできるのか?が問題点です。
製品のホームページはこちら。
Commentaires