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ライティング・スキル  について記事掲載されました

総合診療 2019年 10月号 特集 教えて! 医師のためのビジネス・スキル



面白い切り口です。ビジネススキルは苦手とばかり思っていましたが、臨床マネジメントQ&Aの項目はすべて自分が悩んだことがあるものでしたし、臨床研究や製品開発などに興味もあるので、キャリア・マネジメントも興味があることに今更ながら気づきました。

臨床マネジメントQ&A

Q1 外来の待ち時間が短くなりません。どう解決したらよいでしょう?

Q2 治療方針や退院時期をめぐって医師と看護師が対立している場合、

 どうしたらよいでしょうか?

Q3 院内で、ある医師の行動が「チームの和を乱す」「自分でどんどん決めてしまう」

 など問題が指摘されています。どうしたらよいでしょうか?

Q4 診療所の看護師同士の仲が悪くて困っています。アドバイスをお願いします

Q5 失敗しないスタッフ採用面接の仕方を教えてください

Q6 スタッフの医師3人が続けて産休に入ることになりました。どうすればよいでしょうか?


総合診療科の設立・運営・維持と医師確保のノウハウ

労基署の監査が病院に入った時

 総合診療(家庭医)の小病院における「医師の働き方改革物語」

「研修医の働き方改革」の実践例

楽しく有意義な会議の作り方のコツ


■キャリア・マネジメント

ジェネラリストとキャリア開発

診療をしながらオンライン大学院に行く

医師のためのMBAコース紹介

高齢医師のサバイバル・スキル


■医師に求められるビジネス・スキル

プレゼンテーション・スキル 資料・ハンドアウトの作り方と話し方

ライティング・スキル

Web発信スキル SNS & Blog


■スペシャル・アーティクル

ビジネス倫理とは何か 医療への示唆


■コラム 医師と企業/起業

企業で働く医師はアリかナシか

病院経営から多くの患者さんを救う道




私はこの中でライティング・スキルを書きました。自分が執筆活動をライフワークの一環として行おうと決めてから15年ほどが経ちました。お陰様で自分が発刊に関わった書籍(学会抄録なども含む)は書棚に収まらなくなってきました。昨年度は50本ほど執筆活動(共著含む)がありました。


雑誌本文では誰にでもあてはまることとして ①臨床現場での疑問を大切にする事、②楽しむこと、③先延ばしにしない事の3つを 大切としましたが、自分が執筆や講演をする中で自分なりに決めたルールがあります。

1. 断らない

2. 調べつくす(同じテーマであっても最低限PubMed検索は執筆ごとにやり直す)


今まで執筆内容や講演内容によって断る事はしてきませんでした。それは「仕事を依頼されるということは、できるはずと期待されているからだ。この依頼を受けることは自分を成長させることにつながるはずだからだ。」という考えからでした。それは私の考えと言うよりは恩師の言葉に感化されただけなのですが。


レジデントの時に失神の執筆が舞い込んできました。当時、失神はうまく管理できたとは思えなかった反省症例があり、自分なりに勉強していました。おそらくその事を知っていた上司が、「自分の反省を活かしてさらなる成長を遂げなさい」とばかりに仕事を振ったのだと思っていました。その1-2年後に再度失神の原稿依頼がありました。今思えば「一度失神の原稿書いているから、上田が適任だろ」というだけの話ですが、当時は「お前の失神へのアプローチはまだまだ未熟だ」と言う意味かと思い、再度猛勉強し少しだけ賢くなれました。


総合診療は「それは自分の分野ではない」と言わないことを誇りの一つとして思っています。ですから麻酔科学会や精神科学会、心療内科学会、整形外科学会、リウマチ学会など場違いとは分かりながらも講演の依頼があれば自分にできるベストを尽くそうと、半ば開き直って仕事に取り組んできました。それによって得られることは多く、専門外の私を暖かい目で見てくれる先生方のおかげで、講演した私が聴講者の何倍も勉強させて頂いたことを感謝しています。


ですからどんな仕事も「断らない」のは大事だと思います。


調べつくすのは大事です。調べつくしていない場合は自信も持てませんし、人に伝える・教えることを躊躇していまいます。それではその知識は死んだ知識になってしまいます。どうせ調べるなら、調べつくす。 医師が一人の患者を診療すると平均して0.57個の疑問が生じますが、それらのうち51%しか調べられてないそうです。これをちゃんと調べていったら、きっと素晴らしい医師になれるだろうな、と夢見ています。



など、いろいろな想いをもちながら執筆したのですが、発刊後に我に戻りました。今年度から仕事制限を始めました。それは講演会の後や出版の後に、もっと調べつくすべきだった、もっと上手くやれたはずだ、という反省が増えたからです。質より量となっていないか、何より日常診療から生まれた素朴な疑問をちゃんと解決しているのか、後回しにしていないか? という反省もあります。今一度初診に戻り、自分で納得のできる仕事をできるようになりたいと思います。

おそらく数年はかかりますが、大きな仕事もとりかかっています。私の原点である内科診断リファレンスの改訂作業です。現在第8刷となっており、多くの人が参考にしてくれていることに今更ながら感謝していると同時に、改訂にあたっては初心に戻ってすべて調べなおさないと今後書籍を手にしてくれる人に申し訳ないとも思っています。しばらくはこの仕事に注力させて頂きます。初版は執筆開始から7年かかりました。改訂版は何年で仕上げられるのか?? 気合をいれて頑張ります。


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