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  • 執筆者の写真Y

第6回 NEW レジデントグランプリで講演しました。

NEWとは北部、東部、西部の医療センターの略で、併せて1800床。これを名古屋市立大学院病院が中心となってまとめ、4病院合同の勉強会としているそうです。



私は「救急で使える高齢者の身体診察」の話をしましたが、その前に学生と研修医発表があったのでそこから抜粋。


「ドクターエイドとしてER勤務をする中で得たもの」

学生さんをドクターエイドとして雇い、臨床現場を経験してもらうシステム。いくつかの大学ですでに実現しているそうです。現実感のないまま学部の授業を受けるよりもイメージをもって勉強に励むことができるシステム。医学部や看護学部以外からも参加者がおり、この経験を行政などの改善に活かしたいというような意見も。


「患者さんの物語からみる医療」

胸部xr、心電図、診察、超音波など学生の時からしっかり学ぼうという学生の集まりの報告。今回はNBM。心電図や胸部XRは本を買えば簡単に勉強できたけど、超音波はそうはいかず、学生時代には開業医の息子の家に数人で乗り込んで勉強させてもらったことを思いだしました。診察方法も友人と模擬患者となりあって練習したなぁ。


「抗凝固薬開始を契機に大腸がんが発見され、、」

DOAC開始後に下血で発症した症例。特に下血の多いダビガトランではなかった。ちょっとずれますが、ASA投与下での検診FOBで大腸癌検出率は高くならなかったという論文を思いだしました。貧血ないが高齢者(MCV計算しているうちにスライド進んだため年齢忘れましたが)の割にMCV87がヒントだったかもしれない。


「出血性ショックで救急搬送されたKlippelーTrenaunayーWeber症候群」

上肢血管腫で切断歴!。切断後の部位に慢性潰瘍ありそこから大量出血。ctで切断肢の腫大と胸壁や縦隔に異常血管。Angio+自然経過で止血。これうちの放射線カンファレンスで話題にあがってけど、実症例の話を聞いたのは初めてでした。


「交差性融合腎による水腎症」

もともと尿路奇形がわかっており片腎 水腎症。サッカーボールによる外傷後の腎盂出血で腎後性腎不全に。腎瘻から腎盂形成術としたが、手術所見にて左低形成腎が右に融合しており、交差性融合腎。低形成の左腎の腎盂尿管移行部狭窄による左水腎による右尿管圧迫で右の著明な水腎症をきたしていたことがわかり術式変更。あとでCTみても診断は難しかったそうです。融合腎で有名なのは馬蹄腎ですが、融合腎にもいろいろあるし、水腎症の機序も様々なんですね。


「抗IFNーγ中和自己抗体陽性の播種性MAC症」

これは丸太的には有名でしょうか。QFT-3Gが判定不良になるのが特徴ですね。

治療開始5ヶ月後に乳糜腹水が出現(実際にはいつから出現していた可能性があるのかはわからなかったが)したのが珍しいケースだった。

抗体を測定するときには新潟大学で測定可能だったが、研究されていた先生は熊本大学に異動されたとか。


「救急外来で経験した輸入感染症」

モルディブ旅行後関節痛、発熱、皮疹。蚊にさされている。

マラリアは流行地域ではない。デング、チクングニア、ジカと、除外すべきものとしてチフスなどを考える。結局チクングニア熱。今まで丸太でもっともめずらしかった輸入感染症はこのチクングニア熱ですが、この時も夜中の救急外来受診でした。チクンと蚊にさされ1週間以内に発症。関節痛が強いので力入らずグニャとしてしまうと研修医は覚えましょう。これは関節痛が遷延したりするのでリウマチ医にも有名な感染症です。トラベルクリニックもできたので、今後は様々な感染症の診療機会が増えると思います。勉強しなければ。


「腸管出血性大腸菌によるHUS」

潜伏期長い無熱性血便。上行結腸炎。これは腸管出血性大腸菌しかない。その後TMAと腎障害、意識障害で典型的HUS。潜伏期11日は長すぎるけどベロ毒素も確認済み。


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