今回試したのは、石井大太先生に教えてもらった自作の録音聴診器です。総合診療2021;31(12):1546に記載されている説明に従い、作成しました。
必要な材料は聴診器、Y字管、スマートフォン用マイクの3つだけです。必要な道具はハサミ(あるいはカッターナイフ)と定規ぐらいです。
聴診器は、リットマンクラシックⅢもしくはマスタークラシックⅡを用います。今回用いたのは前者です。値段は15000円程度です。医師の中ではリットマンのマスターカーディオロジーは人気ですし、ケンツメディコの聴診器は音が大きく聞こえやすいので私も好きですが、いずれもツーインワンチューブであるため、ダメです。聴診器は以下のように切って接続していきます。
Y字管は松吉医療|クニイ ヒビキコネクター(Y型)を使いました。10個入りで1000円ぐらいです。もしかしたらこれは病院で購入依頼したら資材部からもらえたかも知れないなぁ・・。
マイクは「Mic W i437L」を用いました。Lightning用のものです。値段は22000円と高額ですが、チューブにフィットするのと、音質を少しでも良くしたいのでここは奮発します。コード付きのマイクは多数売っていますが、コードが絡まってしまうのでお薦めしません。Bluetoothマイクも便利かと思いましたが、動画撮影(頸動静脈拍動などを撮影)した場合に音声がズレてしまうのと、病院内で皆が自分のスマホで使えるようにするには有線のほうが優れていると判断しました。
端子がtype-cの場合でも、type-C→lightning変換アダプタを用いれば大丈夫と思ってアダプタを購入してしまいましたが、データ転送対応しているタイプであってもアダプタを介してはこのマイクは使えませんでした。ご注意下さい。おそらくですがtype-cもしくはlightning→3.5mmミニプラグ変換は可能と思われます。Mic W i436 kit Class2という今回使用したマイクの姉妹品を使えばtype-C/lightningのどちらの端末でも録音可能な聴診器が作製可能と思いますが(下図)、試してはおりません。試した人がいたら是非教えて欲しいです。もしもう一つ作る時には汎用性のあるこちらのバージョンで考えています。
出来上がりは以下の通りです。今まで購入した電子聴診器より使い勝手は上です。動画を一緒に取れるのも素晴らしいです。
問題点としては音が小さいことと、他の電子聴診器と同じですが、雑音をそれなりに拾います。環境音の取り込みはアダプタ部分からでしょうか? 後日、防音塗料を塗って改良を加えたいと思います。
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