論文の投稿がいつされているかの研究。
時間外労働は国によって差があり経時的な変化がないという結果は、”過重労働の文化”は文字どおりの意味であり比喩的な表現では全くないことを示す。”週末”という言葉は、多くの研究者にとって、誤った名称である・・・
BMJ. 2019 Dec 19;367:l6460.
論文執筆は平日の勤務がある時にはとても時間がないので、難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。
BMJ投稿のみのデータですが、中国では週末の投稿が多いそうです。台湾や韓国も多く、日本もその傾向があります。一方、ベルギー・ドイツ・スイスは祝日の投稿が多い。この違いは面白いですね。アジアは平日にできなかった仕事を週末にする。ヨーロッパ勢は週末ではなく祝日にまとめて行う傾向があるんでしょか。日本人は平日に残った仕事を週末も祝日もするという感じでしょうか。確かに自分もそうですけど。
論文投稿と査読を比較すると、査読の仕事のほうが週末や祝日に行われています。論文投稿する側のほうが本職ということで平日に行っている人が多いんでしょうか。私は逆に執筆のほうが時間がかかるので休日祝日にしており、査読は平日夜にやるほうが多いです。
投稿・査読している時間帯は昼が多い。
これは驚き。確かに私も職場で空いた時間にも適宜査読していますが、勤務時間内に投稿できることはあまりないです。臨床医ではなく研究職が多いのでしょうか?
でも日本(や中国)では夜中に投稿・査読されています。
経済協力開発機構のデータでは、日本は人口当たりの医師数は平均の2/3ほどしかいないし、外来患者も圧倒的に多いにも関わらず、看護師も少ないなど、欧米と比較すると圧倒的に日本の開業医は時間に追われています。
参考:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0327-2d.html
そういった日本の勤務医の過酷な労働環境を反映したデータなのかと思います。
学会発表や論文投稿が業務として認められれば良くなるのかも知れませんが、上司に奨励されたことであっても命令されたわけでなければ業務とは認められないというのが、医師の働き方改革に対する国の見解です。
いずれにせよ残業代がつかない私には関係のない話ですが、頑張っている人たちが報われるシステムになればいいなと思います。
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