青木眞先生とは本当に久しぶりで、直接お会いしてお話するのは10年以上前だったと思います。お互いの交通事情もあり短い挨拶だけしかできませんでしたが、研修医時代に感染症の診療を通じて正しいモノの考え方を教わったことを思い出しました。
私の話は、BMJのクリスマス特集にあやかって、「クリスマスは雑学から医学を学ぼう」でした。
話のネタは以下の通り。
これらは、すべて医学書院の「総合診療」の連載で取り扱ったものです。
今回は、それに加えて新ネタ紹介(丸太では毎週医学トリビアを紹介しており、来週お披露目予定なので、丸太の人は以下はネタバレ注意です)。
皮膚の痛覚が一番鋭いところはどこでしょうか? 指先でしょうか? 陰部でしょうか? 顔面でしょうか?
このCQに答えるため研究方法がすごい。
ミツバチに自らを刺させるというのだ。
•前腕をミツバチに刺された痛みを5として、1~10のスコアリングすることにした。
•ケージから取り出したミツバチの羽をつまみ、刺されたい場所に押し付け、確実に刺さるように5秒間保持するという実験を行う。針は皮膚に残るため、1分後に鉗子で取り除く。
•最初に1回は前腕、次に3回場所を変えてデータを収集、最後にもう1回前腕で疼痛を“標準化”した。
•25か所のデータを2周り入手し、データの一貫性が確認されたが、念のため、もう1通り3回目のでデータを収集した(!)。
•合計38日間でデータ収集は終わった。
•3か月前から1日5回刺されており、実験中に免疫系に変化は無いと考えられた。
なぜ、3か月前から毎日5回刺されているのか疑問に思って調べてみたら、著者は社会性昆虫生物学者だった。多分、蚊にさされた程度にしか感じないのでしょうね。すごい。
気になる結果は以下の通り。
Penfieldのホムンクルスを見直すと、確かに感覚が最も鋭敏なのは口唇ですね。
SNSで自ら口唇や鼻翼にピアスを開けた人を見つけましたが、その勇気はすごい。この研究では耳朶は含まれていませんでしたが、口唇ピアスや鼻翼ピアスは耳朶ピアスを作る時の何倍の疼痛を伴うのだろうか? この疑問に答える研究は見つけられなかったので、誰か調べて欲しい。自分で試したくはないので。
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