今回使ってみたのは連続血圧・血行動態測定アドバンスドシステム
「FINAPRES NOVA」
Finapres NOVAは、モニタ一体型の多機能な連続血圧計です。
一世代前のものをお借りしたのですが、録った写真を消してしまったので、下の画像は会社のホームページから拝借しました。本物はノートパソコン上の画面で動脈波形が描出されてました。
血圧は専用の指先カフにて、非観血・非侵襲で連続した血圧波形を誰でも簡単に測定ができます。
最初のキャリブレーションでカフが締め付けられます。心臓の高さで圧補正するので、体位を変換しても大丈夫。確かに手をあげても表示される血圧に変動はほとんどありませんでした。被験者2名で試しましたが自動血圧計との差は少なく、指先で測っても信頼性は高いようです。
血圧を持続的に測ることができるのはなぜかというと、最初に圧を変化させたときの血管内容積変化を赤外線で測定しておきます(ハード面ではSpO2測定とさほど変わらない)。そうすれば容積変化から血圧変動が逆算できるという理屈のようです。ちょうどドックンドックンと指先が感じる圧でうまい事カフ圧を調節しているのが感じ取れます。
今回はこれを用いて失神患者のTilt試験を行いました。改善が望まれる点は一つ。血圧が大きく変動(血圧低下)した場合、適切なカフ圧となるように再キャリブレーションされるため、完全に連続で血圧測定できるわけではありません。キャリブレーションの間はもどかしい気分になるので、一般的な血圧計と併用するほうがよいでしょう。二つの指を別々のカフ圧でコントロールし、血圧が変動してもどちらかの指で血圧波を検知できるようにすれば解決するかも知れません。
一度病院に購入依頼を出したことがありましたが、有用性が十分吟味できておらず購入に至っておりません。Tilt試験だけではなく例えば敗血症で血圧管理のためだけにA-lineを確保する症例を非侵襲的に管理できるようになることの意義も大きいと思いますが、人気の商品のためか、デモ依頼してから1カ月してようやく1泊2日レンタルだったので、末梢循環不全のある症例でどのようになるかはまだ試せておりません。試す機会があれば、また報告したいと思います。
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