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執筆者の写真Y

骨髄生検の練習の仕方

この度、リアリティを求めて骨髄生検の練習用キットを手作りしました(医長が作ってくれました)。シリコン製の皮膚、ウレタン製の皮下組織、アルミ製の骨皮質、そしてコルクでできた骨髄組織です。まずは穿刺する位置に局所麻酔をしたフリをして、次に穿刺針を内筒を入れた状態のまま皮膚をプツッと突き破って皮下組織をサクッと通り抜けます。

ここからしっかりと体重をかけながら骨皮質を貫通するまでグリグリと回します。多くの場合はどこで止めるべきかは感覚でわかると思いますが、基礎疾患によっては骨皮質が非常に柔らかく、力をほとんどいれずとも進んでしまうこともあります。また生検針はストッパーがないので進みすぎないように必ず目盛りも確認しながら行います。5mm程度すすめるのが目安です。

しっかり刺さるとしたの写真のように針が自立します。少し揺さぶっても、びくともしないことを確認します。

今度は内筒を抜いて外筒だけで進めます。この手技により骨髄組織が外筒の中に入っていきます。ザクっと進みすぎないように人差し指をストッパー代わりにしますが、下の写真のように距離的に厳しいこともあります。写真にはありませんが、そのような場合は私は左手をストッパーにするようにしています。

2cmを目安として外筒が進んだら、外筒内に骨髄組織があるかどうかを確認用のスティックを中にいれてみます。スティックから手を放して重力に任せてスティックを進めますが、下まで落ちずに止まりました。スティックに付いている目安ラインと比較すると1.5cmほど検体が入っていそうですね。この時にスティックをグイっと押し入れてはダメです。当たり前ですが、せっかくの検体がつぶれてしまいます。

次にスティックを抜いて、その代わりに黄色の中筒を根元まで入れます。昔はこれがなかったので、グリグリと外筒を左右上下に動かして骨髄組織を切り取っていましたが、今思えば上品ではない手技でした。中筒は骨髄検体を挟み込んでくれるので、中筒がある製品を使っているならばそのまま外筒と中筒を共に360度回転させれば、それだけで骨髄組織が切れて針の中に納まります。

あとは外筒ごと中筒を引き抜きます。そして緑の外筒から黄色の中筒を引き抜けば、このように骨髄組織が取れています。あ、コルクですけどね。

この骨髄組織をとるときは先ほど使ったスティックで押し出せば簡単にとれます。手でつまもうとした研修医も過去にいましたが、組織が潰れるし、いくら中筒とはいえ尖った金属の先端を触れる行為は危険を伴うので避けるべきと思います。


今までリンゴでやっていましたが、今回のやり方のほうがずっと良いです。ただしアルミは0.5mmでもかなり硬いです。スポーツマンだった20-30歳台の男性に骨髄炎の起因菌同定のために骨髄穿刺した時よりも堅かったです(今回の骨髄生検針の刃がなまっていた可能性はありますが)。アルミは厚さ0.1mm刻みで購入できるので0.1mmでもいいかもしれない。また木板、たとえば堅いのがいいのでナラとかホワイトオークの5mmぐらいも良いかもしれない。良い材料があったらまた試してみたいと思います。こういうのを作るのがめんどくさいという人は、Amazonでコルクブロックと検索してそれだけ購入しても十分練習できると思います。おすすめです。




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